仕事の帰り道

お店から誰かの誕生日を祝う音が聞こえる。サプライズされてるのかな、かわいそうに。「わ〜!ありがとう!嬉しい!」ってちょっと泣きそうなくらいオーバーに喜んでみせたりして。

ごく自然にそこまで思う自分に嫌気がさす。いつものこと。私は私。平常運転。

今日も疲れた。仕事しただけ。嫌われないように、ちゃんと仕事できる人だと思われるように、何事もそつなくこなすタイプですという顔をして。仕事しただけ。

イヤホンをつけて音楽をかける。外界を遮断して、自分の内に戻るんだ。駅に向かう。まとわりついた会社の空気を振り解くかのように早足で。

いつまでこの道を行ったり来たりするのだろう。ちょうどいい居場所なんて容易く見つからないし、そんな所はそもそもないのかもしれない。

そんなこんなを飽きることなくうだうだうじうじ考えながら、目の前に来た電車に乗り込む。どっか良いところへ連れてってくれないかな〜とあり得ない期待をして。



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