発達障害と皮膚感覚

篠ケ瀬菜生ら(2014).発達障害者の 「皮膚感覚」 の困難・ニーズに関する研究

手記から困りごとをリストアップした質問項目について、発達障害当事者とそれ以外の集団を対象に調査している。
先程読んでいた睡眠に関する調査の皮膚感覚版である。これはシリーズだったのか。他にもあるのだろうか。

本文はさらりと目を通した。健常者はそうではないらしい、ということを今学んでもあまりメリットを感じないのである。

低登録/感覚探求/感覚過敏/感覚回避の分類を思い出しつつ、リストに目を通していく。こちらのリストは睡眠のものと違い、紙を縦に使うレイアウトなのでPDFでも見やすい。
読み始めて、自分は鈍感な方かもしれないと感じた。極めて過敏な例が次々と出てくるからだ。
元々の手記を書いた人々は、過敏で辛いエピソードを記述したのだろう。低登録なものについては無自覚なことも多いだろうし、鈍感でいられることには鈍感でいたほうが生きやすいのだから、鈍さを書く割合は低いのではないか。そう考えると、項目が過敏に偏るのは納得できる。

一通り読んで、自分の事情を書き出しておく。

•前髪は苦手
•パンツのゴムが嫌いで子供の頃は辛かった
•首元に何かが触れるのが苦手。タートルネックとマフラーが嫌い
•濡れるのは平気。寧ろ好きかもしれない
•他人の皮膚との接触は苦手かもしれない
•全裸が落ち着く一方で、着るならば身体を包んで守るような服を好む
•暑がり、猫舌(関係があるのか不明だが)、入浴は好きだが熱いのは苦手、人の体温が残った椅子も気持ち悪い
•かなり涼しくても薄着で外に出て空気の冷たさを楽しむ、(凍えている場合を除けば)ひんやりしたものに触れるのが好き
•物理的距離は大きめに取りたい
•手触りにこだわりがあり、好きなものを撫でると安心できる。特にふわふわした感触を好む
•重い毛布愛用中

「体のあちこちが常にかゆい」という項目があり、当てはまるのだが、そもそも皮膚が弱いせいだと思っていた。皮膚の弱さ故に避ける衣類(素材やデザイン)もあるので、感覚の問題と捉えていない部分がある。
一旦皮膚科領域の問題を無視すると、痒みを感じやすい(感覚過敏)ため、掻き壊して余計に痒いということは起こりそうだ。であれば、皮膚科で治療を受けてもなお痒みを感じやすく、そこから意識を離せないというのはありそうだ。
アトピー性皮膚炎は発達障害と併発しやすい(相関する)という話があり、痒いから過敏になるし過敏だから痒くなるという厄介な状況なのだろう。

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