Yenduを開こう
クラス会、同窓会、女子会など、親しい仲間とともに過ごす時間は楽しいですよね。今回は筆者がダカールで参加した、Yenduという会についてお話します。
ウォロフ語の辞書的な定義によれば、Yenduとは「日を過ごす」ことであり、
日常会話の中では、Yendu ak jàmm「平和な1日を」というフレーズで聞くことが多いです。ちょうどフランス語の” Bonne journée”と互換的に使用されているようです。このことから察しがつくように、体感としてはだいたい日没くらいまでの時間を指しているのだと思われます。
もうひとつ、辞書的な定義とは別に、午後の時間を仲間たちとのんびり過ごす会や、親戚、同僚、知人などとの寄り合いを指して使われることもあります。
筆者は2015年にダカールに滞在した際、友人(当時19歳)に連れられて、何度かYenduに参加しました。そこでは、何か特別なことをするわけではなく、簡単なお菓子やジュースなどを少しずつ持ち寄って、日々の些細なことやゴシップについて話したり、ボードゲームをしたりして、楽しく過ごしました。持ち寄りパーティーといったところでしょうか。いわゆる割り勘(ウォロフ語ではcoro-coroと言ったりします)で昼食を用意したり、時にはラップバトルやダンスが始まることもありました。
当初、Yendu はティーンエイジャーの楽しみのひとつなのかと思っていましたが、どうやらそうではないようです。
友人の母(私はTataと呼んでいる)とその仲間のマダムたちもしばしばYenduを開いていました。後から聞いた話では、TataのYenduではみんなから毎回少しずつお金を集め(これをウォロフ語でnatt=分担金というようです)、集まったお金は特定の個人に渡される。それを順番に回しているのだそうです。場合によっては購のような機能をしているのかもしれません。
ところで、Yenduとは「日を過ごす」ことであることは冒頭で述べました。
その語義通り、明るいうちに始まるのですが、仲間との集いは楽しいもの。おしゃべりに花が咲き、時間がどんどん過ぎていきます。宴もたけなわ(ムスリムが多いので、ほぼノンアルコールですが…)そろそろ帰ろうかという頃にはしばしば深夜になっているのでした。
(文責:星野佐和)
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