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8マン vs サイボーグ009

子どもの頃の最大のヒーローは誰だったか、と問われると・・・・・・
ウルトラマンや仮面ライダー・・・・・・

幼少期、白黒時代にさかのぼると「忍者ハットリ君(実写版)」「スーパージェッター」「レインボー戦隊ロビン」そして「エイトマン」

やっぱり、アトムや鉄人28号を差し置いて、最大のヒーローはエイトマン♪
実際には物心ついたときには放送も連載も終わっていたようですが、アニメは再放送がありましたし、マンガも冒険王などに時々収録されていたのを読んだり・・・・・

小中学生の頃に出版されていた秋田書店版(でした?)のエイトマンは不完全版で、知っている話が載っていなかったりと不満でした。
それが高校時代にD社が完全版をだすと謳って出版開始。
「怪人コズマ」の前編が出版。ところが後編がでないままにD社はなくなってしまいました・・・・

エイトマンというのは設定がとても不思議で、アメリカで極秘開発されたスーパーロボットを開発者が持ち出して日本に逃げてくる・・・・・(すぐに日本で捕まって送還されそうですが)
時としてエイトマンと発明者の谷博士を捕まえに来るCIAは悪賢いし、むしろソ連のデーモン博士なんかが潔かったりする(ちょっと非現実的)。

子どもの頃は亡くなった東刑事の意識や記憶をエイトマンに移し替えて甦ったという説明を受け入れていましたが、成長するに従い、それは甦ったのではなく、複製が生きているだけでは、と考えるようになってきます。

そう、複製であるのに機械として生を受けたエイトマンは人間のように「自分が機械に過ぎない」ことを悩むのです。
この設定は考えれば考えるほど深遠だと思うのですが、どうでしょう?
東八郎の複製なのに、もしも東八郎がサイボーグみたいにして甦っていたのなら悩むであろう悩みに苦悩する・・・・

東八郎はエイトマンとなった後は(正確にはエイトマンが東八郎になった後は――ですが)東探偵事務所を開設し、秘書のサチ子さんを雇っています。このサチ子さんが「エイトマン」のヒロインなわけですが、東探偵にぞっこんなのが誰から見ても明らか。

それに対して東探偵が気づかぬように振る舞っていますが、危機に際しては彼女を大切にしていることが分かります。
ただ、人間ではない身であるために、彼女に期待させないようにとしているのでしょうか。

ここから先はネタバレがあります。

さて21世紀になってようやくR社から復刻版エイトマンが出版されます。
ようやくコズマの続きが読める!
その中で遂にサチ子さんに東八郎=エイトマンと知られてしまう・・・・・!

サチ子さんはショックを受け、エイトマンも傷つきます。
そんな傷心のエイトマンがコズマとの決着を付けに最終決戦に赴くのです。

ところが!
運命のいたずらなのか、エイトマン長編シリーズの最終回とも言えるこの回を桑田次郎氏は病気のために描くことができず、代作家の筆になります。
それを復刻版の編集者が桑田次郎氏に直談判し、桑田次郎版として最終回を描いてもらったものが載せられたのです。

この桑田次郎版は連載時と結末が変わっていることは、当時読んだ人の感想がネットに上がっており、「他の結末が?」と何年も残念な気持ちで待たされることになりました。

その間に「エイトマン アフター」というマンガが出たり(私の知る限り一巻のみで完結していない?)、「インフニティ∞」というマンガが出たり(私は途中までしか読んでいません(..;))しましたが、私の憤懣は貯まるばかり。

その原因は東八郎の最大の心の傷、「サチ子さんとのこと」に踏み込まないからでした。

8月1日、某ネットショップを見ていたら「8マンvsサイボーグ009」というマンガが・・・・・・・
実は個人的には石ノ森章太郎氏のマンガがなぜか苦手で、009は読んだり見たりしてきませんでした(実は同じ感覚が萩尾望都先生や竹宮惠子先生にもある――個人の感想ですけど)。
でも、最大のヒーローとのコラボなら読まなきゃ!とばかりにポチり。
8月3日に一気に上下巻を読みました。

――あぁ、何と言うことでしょう。とうとうサチ子さんと東八郎の物語を回収してくれる作品に巡り会えるとは・・・・・・
とてもとても美しい物語として完結しました。
フランソワーズがいて良かったです。
あの後のことには、もう触れてほしくない・・・・・・(気がかりはありますよ。何年後の話なんだろう、とかネ)

追記しておくと、連載時の最終回はマンガショップ版のエイトマン最終刊に収められているのを昨年購入して読んでいます。




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