贈与の研究

私はいま贈与の研究に関心があり、経済学に詳しい人を募集しています。詳しくなくても全然構いませんので、もし興味のある方がいらっしゃればご連絡ください。

発端はたぶんこの記事

人は本来,「与える人になりたい」生き物だ。しかし,与えることは難しい。何故ならば,受け取る人を見つけることは予想以上に難しいからだ。

今、新規事業創出の界隈でも、基本的に技術革新は飽和していて、いかに人々の潜在的なニーズを見つけるかが一番重要だ、というのは共通認識としてあるだろう。人々が本当に求めるものを見つけるために、デザイン思考とかユーザ体験とかに注目が集まっている。

人間は豊かになりすぎて、モノが余っている時代。別に心底必要なものなんて思い浮かばなくて、でもちょっといいな、と思えるモノやコトにお金を払う、そこをビジネスにしていこうという機運があるが、そもそもお金を使って価値をやり取りする資本主義的な考え方に限界が来ているのではないか、とも思う。

人々の価値観が多様化しすぎたせいで、モノに値段をつけるのが難しくなった。誰かにとってはすごく価値があっても、別の人にとってはゴミみたいなものかもしれない。じゃあ自分にとって価値のあるものは何で、それの価格はいくらで、それは自分の価値感と世間相場を照らし合わせて得なのか損なのか、パラメータが多すぎて考えるだけでも嫌になる。お金を集めるよりもお金をどう使うかの方がよっぽど難しい、と言われるのもそのためだろう。お金があれば新しい家電を買って、車を買って、家を買っていればいいとみんなが信じていた時代は終わったのだ。お金が人々の価値観を表す共通の尺度として、もはや成り立っていないのだ。

今の新規事業ビジネスを分解して考えていくと、一番の肝となる部分は「私はあなたにこれをあげるから受け取って欲しい」という贈与が成立するかどうかではないか。いかに贈与するかが、これからの時代の鍵になる。価値観は社会全体で共有するのではなく、私とあなたの間に存在する。ペルソナを作ってニーズを明確にするというのは、まさにこの贈与をうまく進めるための手段の1つなのだろう。

ということで、これからの時代は贈与を制する者が社会を制する。もう実感している人も多いと思います。では、どうやったら贈与が成功するのか。そういう切り口で考えたとき、今までとは違う世界が見えてくるんじゃないかな、という気がしています。なんとなくです。

今の研究内容としては、具体的に世の中でどういう贈与が行われているかを調べ、どうすれば狙った贈与ができるようになるか、その指針を探しています。とても怪しい試みです。気を付けてください。

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