レヴィ=ストロース「野生の思考」のスキーマ
とりあえず「序」と「訳者あとがき」を読みました。この本の立ち位置について書かれています。
この本が書かれた1962年当時、ヨーロッパでは「我々は高貴な人種」「未開人とは考え方がそもそも違うのだよ」といった差別的な考え方がごく自然と受け入れられていたようです。
「我々文明人がいかに高度な思考を持っているかは、我々が扱っている言葉を見るだけでもわかる。我々は様々な状態を表す形容詞を操り、細かな自然現象を説明するための言葉を持っている。いっぽう未開人は、食べるものとか危険なものについての言葉しか持っていない」
そんな感じでヨーロッパの人たちは未開人を見下していたようです。そういう思想体系を率いるのがサルトルさんだそうです。
一方、本書を執筆したレヴィ=ストロースさんは、その考え方間違ってるよね、別に文明人だって未開人だって、環境が違うだけで思考の手順みたいなのは同じだよね、みたいなことを発表したそうです。その説明がめっちゃしっかりしていたから、賢いヨーロッパ人たちは「マジかー」って気付いて、ヨーロッパの思想が大きく転換するきっかけになったそうです。
地動説みたいに弾圧されなくてよかったね。文明人を自称するだけあって、ちゃんと新しい学説を受け入れる理性があったのは良かったと思います。
レヴィ=ストロースさんをはじめ、フランス人は小難しい言い回しや、掛け言葉のような二重の意味を持たせたりするのが大好きなようで、だから本書はめっちゃ読みづらいよ!って訳者が言ってました。
未開人を差別する代表的な思想の一つが「トーテミズム」らしくて、本書ではその「トーテミズム」によって形作られた幻想が破壊されるそうです。わたしたちが以前読んだデュルケームの本で学んだ儀礼の話が破壊されてしまうのかどうか、それがいま一番気がかりです。
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