「大衆」「扇動」を研究する その2

以前、大衆を扇動するには、大衆の不満に着目しよう、という話を書きました。でも、それだけじゃないのでは? もっといろんな形の扇動があるのでは? という話が出てきたので考察します。

セカンドペンギンが大切、みたいな話があります。新しいことを始めた一人目もすごいんですが、それが一人だけだと変な人で終わってしまう。でも二人目の賛同者が現れると、そこから一気に広がっていくよね、みたいなやつ。有名な動画がこちら。

これって扇動になるんじゃないの? という疑問。もしあなたが大衆を扇動したくて、都合の良い取り組みをしている一人目を発見したら、あなたがセカンドペンギンになることで世の中を扇動できるかもしれない。だとしたら、それは大衆の不満に着目したわけではなく、何なんだろう?

ここで考えたのは、人間の好奇心。好奇心の源泉が何かはよく分からないけど、でも誰にだって好奇心はあると思う。面白そうなら参加してみたいと思う。ただ、大人になって経験が増えると、好奇心と同じくらい恐怖心とか猜疑心とか、いろんな可能性を考えて二の足を踏むようになる。セカンドペンギンが登場することで、あ、私だけじゃないんだ、他の人も参加してるじゃん、って分かると、恐怖心とかが減って好奇心が勝つようになる。

最初は、そうやって面白そうと思う人の輪ができる。集団的沸騰が起こる。次第に、中身なんか見てないけど「人だかりができて、みんな楽しそうにしてるから私も参加しよう」みたいなタイプの人も来るようになる。ここまで来れば扇動成功だろう。

新規事業関連の概念で言うと、一人目はイノベーター。セカンドペンギンであるあなたはエンジェル投資家かベンチャーキャピタルといったところ。そしてアーリーアダプターの獲得という集団的沸騰まではできるだろう。そこからアーリーマジョリティを取り込むことができるか、キャズムを超えることができるか、それが扇動となるか集団的沸騰でとどまるかの境目ではないか。

とつぜん新規事業創出の話になって申し訳ないけれど、こういうセカンドペンギンによって巻き起こる扇動は、新しい価値創出によるイノベーション、という感じがする。一方、前回述べた不満に着目した扇動は、従来商品の改良による新商品発売、という感じがする。どっちだって、大ヒットすれば成功という点でも扇動と構図は一緒だ。

つまり扇動とは大ヒット商品の開発と同じなのだ!(雑な結論)

20200820_「大衆」「扇動」について


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