見出し画像

【のーがたのーと】商店街の入り口に、高校生が集まる交差点を作る。/ 『うどん処たまや』山田匡範さん

福岡の北部に位置する直方市。

直方市には、古町商店街、殿町商店街、明治町商店街、須崎町商店街の4つの商店街があります。かつて、炭鉱の街として栄え、最大人口約6万5千人の産業都市であった直方市。人口が今は約5万人程度の都市としては異例のアーケード1km越えの商店街を持つ珍しい場所です。

市内最大の商店街の古町商店街は、「ふるまち通り」と呼ばれ、江戸時代から続く老舗もあるほど。

そんな古町商店街の北側の入り口に位置する新しいお店、『うどん処 たまや』。

お店の看板に描かれた味わいのあるイラスト

ニューオープンのうどん屋さん

うどん処たまやは、2022年8月に新オープンした、古町商店街の中でもかなり新しい店舗です。

新しい外観、美味しそうなうどんの香りに誘われ、たまやのオーナー、山田匡範さんにお話を伺いました。


名物・かすうどんってなに??

山田さんに案内され、店内へ。

厨房はオープンで、店内は明るく、非常に開放的な空間となっています。可愛らしいクラフト雑貨のお花や素敵な絵が飾ってあり、うどん屋さんながら、おしゃれな印象を受けました。

新しく、広々とした「たまや」の店内

たまやでは、かすうどんをはじめとして、12種のうどんと2種の丼、また、コーヒーやチーズケーキも販売しています。

九州ではあまり馴染みのない『かすうどん』

かすうどんとは、ホルモンをじっくりと時間をかけて揚げた油かすを入れたうどんのことで、もとは大阪の南河内地方の郷土料理。

以前、山田さんが食品展示会を訪れた際、京都の業者の方に勧められて食べたのが始まりだそう。そこで「かす」に魅了され、実際に関西に行って問屋から仕入れを行っているかすうどんは山田さん自慢の商品となっています。

お店で一番の人気メニュー、かすうどんを実食させて頂きました。

かすのあぶらもしつこくなく、旨みが凝縮されており、もっちりした麺によくあう優しい味付け。筆者も初めてでしたが、とても美味しく、ぺろっと平らげられました。

「大阪の方じゃチャーハンに入れたりいろんな使われ方をしていて、ここでも何かやったら面白いんじゃないかっていう遊び心です。」 

そう語る山田さんは、面白そうだ、と興味が湧いたことにはすぐさま取り組む強い実行力の持ち主。鹿児島の神社に行きたいと夕方すぐに出発、朝イチでお参りしてそのまま帰宅するというエピソードもお持ちでした。

たまや名物のかすうどん


福祉事業からうどん屋へ

もともとは福祉をやっていたという山田さん。

山田さんは、『有限会社 王子苑』の代表であり、「ご高齢であっても障がいを持っていてもその人らしく社会の一員として暮らす環境をつくること」を目標として活動していらっしゃいます。

もともと夕方だけ大和青藍高等学校の調理科の高校生レストラン、『匠のたまご』として使われていた場所だったたまや。

コロナ禍になり、活動ができなくなって、10年間の活動を終えたその場所を、せっかくなら使いたいと借り、改装してうどん屋を始めました。

「僕個人的な想いとしては、高齢者の多い街にはなっているんですけど、学生の交差点になればいいなと思って…」

産業都市として発展し、現在は人口減少・高齢化が進む直方市。
近年のコロナ禍の影響で、他の地域同様、高校生の活動縮小、学校帰りの交流の減少がみられています。

自分の育った場所に、自分がインプットしたものを還元する一手段として。

「世代間交流が可能な動線を引けたらいいな。古町商店街の入り口をどうしても担ってるんで。」

学生をはじめ、全世代の地域の方に向けて、たまやから商店街の中に『人を繋ぐ』活動を行っています。


高校生が来る・人が繋がる交差点を目指して

山田さんにとって、直方とは、『仲間が住んでる場所』。

仲間がいるから、こっちもやってやるかみたいな感じ。      

今年に入ってからは、五日市実行委員会の委員長である大神さんと密にやりとりするようになり、その男気に惹かれて五日市実行委員会のメンバーにも入っている山田さん。

「行った方が楽しい。本物見る方が楽しい。」

何をするのか全く予想がつかない山田さん。インタビュー中も、予想外のお話を楽しそうにされる姿が印象でした。

『たまやを通していろんな方と繋がり、楽しいことをしていきたい。』

たまやはまだ始まったばかり。山田さんとたまやはこれからまだまだ変わっていくのだろうと、取材を通して感じました。そんな場所に、ぜひ、かすうどんを食べに訪れてみてください。

お店の前で、笑顔の山田さん

店舗情報

『うどん処たまや』
営業 :11:00〜18:30
住所 :福岡県直方市古町4−2
      JR直方駅より徒歩5分
定休日 :土曜日・日曜日
電話 :090−9790−0510
駐車場 :無 近隣のパーキングを利用


取材・文・編集:首藤颯希(担当)、田中裕祐、田中希一、西村歩 
撮影:田中裕祐



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?