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耳についての事項

(作品のモチーフとしても時折登場する耳)

心地良い音 も 騒音 も

無意識に取り込んでしまう。

幾度となく繰り返された音という名の振動は

光となって 脳へ

小石が響いて 心に届く

耳の造形は美しく面白い

人間が唯一持つ羽根のようでもある

目を閉じて

取り込んだ風音だけで

空を飛んだような気にもなる

✴︎

外界の音を集約するだけの器官が

時々、体内の音まで拾い集める事があるが

数年前から耳の中だけに響く

プロペラのようなモーターの回転音が聞こえている。

初めは眠りに落ちる時、

下にした耳からブルンブルンと響いてきたので

これは地底の何かの音かもしれないと

地底世界へ思いを馳せた。

しかし

それからしばらくして

日中に立ち上がっている時にも時々聞こえるようになった。

それはもう地底の音ではなく

確かに体内の何処かの

回転音でしかなくなった。

まだ突き止めてはいないその音が

何処かへ飛んで消えてしまう前に

これは形に留めなければと

ここ数年頭にこびり付いているのです。

形の無い

光や振動をどんな形で表現しようかと

そっと耳を澄ませます。


2021.1.14

DANPEN





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