名人を半香に追い込んだことのある者同士の王将戦

第72期王将戦第5局が終局しましたね。
今の羽生九段の横歩取りはなんだかワクワクします。

さて、王将戦ですが、創設当初は差し込みと言われる制度があり、タイトル戦なのに駒落ちで対局されるということがありました。
今の王将戦も差し込みの制度がなくなったわけではないと言われています。
昔と違い、4つ勝ち星の差が開いたら半香の手合になります。
ただ、どちらかが4勝するとそれ以上対局はしないので、現在の王将戦で香落ちが指されることはありません。

藤井王将は去年の王将戦で渡辺名人を相手に4連勝でタイトル奪取しました。
王将戦で4つ勝ち星の差が開いたので、名人を半香の手合に追い込んだとも言えます。

ちなみに時の名人が半香に追い込まれたのは、第54期王将戦の森内名人以来です。
さらにその前が、第49期王将戦の佐藤康光名人。
この2例、いずれも半香に追い込んだのは羽生九段です。

さらにその前に名人が半香にというのは、大山名人が香落ちで負けたあのときだと思います。

しかし、名人の時に半香に追い込まれたというのが、大山十五世名人、佐藤永世棋聖、森内十八世名人、渡辺永世竜王という、レジェンドだらけというのが、もう、ネームバリューが凄すぎます。
それもそうか、名人のタイトルを取っている時点でレジェンド仲間入りと言っても過言ではないですからね。

そして名人を半香に追い込んだのが、升田実力制第四代名人、羽生九段、藤井竜王です。

ということは、です。

そうです。

第72期王将戦、藤井王将対羽生九段ですが、時の名人を半香に追い込んだ者同士の王将戦なんです。
こんな王将戦初めてです。

新旧レジェンド対決ともてはやされていますが、名人を半香に追い込んだ化け物同士の対決でもあるのです。

佐藤、森内、渡辺、いずれも説明不要なくらい実績を残している棋士ですが、それでも、羽生や藤井が相手ならいくら時の名人と言えど4タテも仕方ないよね、というような空気を感じます。
私だけでしょうか。
名人が半香とは不名誉なことですが、相手が相手なだけ仕方ない。
と、思わせる人同士のタイトル戦。

あと1局で終わるのか。
いや、それはもったいない。
もっと見たい。

普段はタイトル戦でどちらかを応援するということはしませんが、この2人の対局はもっと見たいので、次局は羽生九段を応援します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?