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『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン』インタビュー(5)

▼もっとやりたかった事


ー なりダンGBのシナリオで悔いが残った点はありますか?

G:13年とばすところ。すぐにプレイヤー操作に入らなくてはならないのでああいう半ばギャグっぽい方法をとるしかなかった。後で思ったのはあそこに会話イベントを何段階か挟めばよかった。2人の顔グラフィックがだんだん育っていくとか。

ー それはいい案ですね。

G:あの会話イベントのところは表情差分も含めて女性スタッフが頑張ってくれました。ステータス(コスチューム)の絵も実によかった。

ー 他にはありますか?

G: 冒頭です。最初に書いたあたりですし設定説明も甘い。クルールをいきなり受け入れる感じもよくなかった。よくない意味で子供っぽい出だしでした。GBの客層としては正しいのかもしれませんが、低年齢層の考えや心を侮る感じにはしたくなくてノルンを足しました。子供と呼ばれる世代でも難しいことを受け入れて くれるとも思いましたし。
お笑い担当のナレーターと対極をなしたノルン。彼女が言うことは難しい上に含みが多い。ヴァルハラ村や暗黒時空で対象年齢が上がっていると言われていますが、初期シナリオと比較した場合ノルンを入れた時点ですでに上がっている。

ー それでもノルンが話す内容は難しかったです。

G: 確かに。でも、ラストシーンのあたりは吹っ切れていました。因果の外側とか時の鎖とか言われてもという感じでしょうけどノルンが急にやわらかいことを言っ ても不自然だと思ったんです。CCの語り手にもラストシーンで同じようなセリフがあります。パソコンゲームとGBでは受け手が異なるのも承知の上ですが、 暗黒時空から後は対象年齢の意識をほぼ外しました。それに、ここはプレイヤーは理解できないので変えてほしいとかはなかった。

『クリスタルチェイサー 〜天空の魔晶球〜』エピローグ

ー 最後にお知らせをお願いします。

G:15年ほどゲームそのものから離れていましたが、きっかけがあって2021年から自分版なりダン小説『青き白き流星』を書き始めました。

『青き白き流星』はゲームのシナリオと大きく異なるものにしています。
まず、RPGとしての戦闘とダンジョンクリアという制約がないため、精霊の試練を飛ばして暗黒時空が最初から登場します。また、ディオスとメルティアの掘り下げやヴァルハラ村をメインストーリーに絡めているところが特徴です。また、なりきり能力の意味・理由付けやアルカナカードについても加えました。
商業作品ではないため暗いシーンや残酷な描写や多々ありますがなりダンGBの尖った部分を気に入っていただいた方々を含めぜひご覧ください。
クルールの設定が異なることについても賛否分かれると思いますが、ゲームシナリオでやり残したことを実現するためとしてご了承願います。
ファンタジアの登場キャラクターについては極力キャラぶれがなく、また、ゲストとして活躍するように執筆中です(注1)。

ー ありがとうございました。


2021年から2022年、2024年 メールおよびリモート会話にて
聞き手 弾団丸 「dandanmaru]

(注1)
2024年完結済み。

新免G之進 Works (peraichi.com)

【全23話】「テイルズオブファンタジアなりきりダンジョン」(なりダン)ゲームシナリオ セルフリメイク小説版『青き白き流星』

パラレルワールド短編『青き白き花』(メルティア編)