HSP(Highly Sensitive Person)は主観的幸福感が低いのか?

感情心理学を調べている中で、
J-STAGE※に気になる論文があったので読んでみた。

その論文のタイトルはこれ。
(Highly Sensitive Person)は主観的幸福感が低いのか?
─感覚処理感受性と人生に対する満足度,自尊感情との関連から─

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsre/27/3/27_18-023/_pdf/-char/ja
※ちなみに僕もHSPである。

※ J-STAGEとは
「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)は、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォームです。J-STAGEは、日本から発表される科学技術(人文科学・社会科学を含む)情報の迅速な流通と国際情報発信力の強化、オープンアクセスの推進を目指し、学協会や研究機関等における科学技術刊行物の発行を支援しています。現在J-STAGEでは、国内の1,500を超える発行機関が、3,000誌以上のジャーナルや会議録等の刊行物を、低コストかつスピーディーに公開しています。

妙録にはこう記してある。

This study aimed to examine the relationship between sensory processing sensitivity and subjective well-being, in terms of life satisfaction and self-esteem, in 4,333 Japanese adults (2,625 men and 1,708 women; mean age=49.05 years, SD=10.84, age range=20–69 years). A one-way ANCOVA indicated that participants in the high sensitivity group had lower life satisfaction and self-esteem than those in the low sensitivity and medium sensitivity groups. After controlling for age, sex, educational level, household income, and marital status, the levels of low sensory threshold and ease of excitation were significantly negatively associated with life satisfaction and self-esteem. Further, there was a significant positive association between aesthetic sensitivity, life satisfaction and self-esteem. These findings suggest that highly sensitive persons in Japan tend to have low subjective well-being, which corroborates the findings of previous foreign studies, whereas the sub-dimensions of sensory processing sensitivity have a different relation to subjective well-being.

日本語に訳するとこんな感じ。

本研究は、日本人成人4,333人(男性2,625人、女性1,708人、平均年齢49.05歳、SD=10.84歳、年齢層20~69歳)を対象に、感覚処理感度と主観的幸福感(生活満足度、自尊心)の関係を検討したものである。一方向ANCOVAにより、高感度群の参加者は低感度群および中感度群に比べて生活満足度および自尊心が低いことが示された。年齢、性別、教育レベル、世帯収入、婚姻状況をコントロールした後、低感覚閾値と興奮のしやすさのレベルは、生活満足度と自尊心と有意に負の関連があった。さらに、美的感受性、生活満足度、自尊心との間には、有意な正の相関が認められた。と自尊心の関係を明らかにした。これらの結果は、日本の高感度者は主観的幸福度が低い傾向にあることを示唆しており、これは海外の先行研究の結果を裏付けるものであるが、感覚処理感度のサブディメンションは主観的幸福度とは異なる関係を持っている。

つまるところ、HSPは主観的幸福度が低いということを結論づけている。

ぶっちゃけ、このnoteでは本論文の妙録までしか触れていないが、実際の論文は結構読み応えがある。なので、興味がある人はぜひ実際の論文を読んでみてほしい。

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