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仲介業

 仲介業というのは、相当古い歴史があるものと思われる。そのことはさて置いて、つまりは口利きである。日本のGDPの内、この仲介業というのはどれくらいの規模になるのであろうか。仲介業の代表ともいうべき日本の総合商社は他国には類を見ない極めて特異な存在とされているが、元々は仲介業そのもので、仲介手数料はかつては口銭と呼ばれ高々売上の2%程度であった。
 最近世間を賑わせている企業もよく見れば仲介業が多い。広告代理店の電通、中古車仲介のビッグモーター、タレント仲介のジャニーズ事務所、等々。
 C社の口利きによってA社とB社が契約するとき、C社の役割は仲介業である。この時、契約当事者はA社とB社である、以前は。代金はA社とB社の間で決済され、C社にはどちらかの企業から仲介手数料が支払われる。シンプルな契約形態である。ところが、仲介業者が次第に力を付けてくると、A社はC社と契約し、C社がB社と契約する、という契約形態に移行する。代金もそれぞれの契約者間で決済される。そこには何らかの経済合理性があるものと思われる。結果、C社が次第に力を付けることになる。そして、単なる仲介業から業務を拡大して業界を支配するようになる。
 日本は契約社会ではないので、契約というものを軽んじる傾向があり、企業でも同様である。面倒だから、形式的だから、いざとなれば何とかなるから・・・ということで契約関係はC社に任せてしまう。ここに付け入られることになる。気が付いた時にはもう遅いのである。下請け関係が絡んだりすると、その構造は複雑怪奇となり、コントロールが効かなくなる。そんな業界が増えているようだ。

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