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054 カレンダー考5

5)お盆

 ついでに、お盆について考えてみよう。祖先を祀る行事として古くから広く行われている。今年のお盆は、8月13日~16日が主流になっているようである。主流ということは、傍流も多々あるということである。どのようにして決まっているのかは良く分からない。ネットで調べるとそのようなことになっている。しかし、お盆の日程はいろいろあるようだ。8月15日を中心にしたお盆は旧盆と言ったりする。旧盆と言っても古くからあるということではない。これに対して、7月15日は新盆と言う。このほかに、旧暦のお盆というのもある。
 この混乱は明治政府が太陽暦(グレゴリオ暦)を採用したことから始まっているのは間違いない。元々のお盆は旧暦の7月15日である。この日はもちろん満月で、「お盆のような月」として昔から歌われている。昨年は8月末であったが、アジア各国はこの前後に先祖供養をする。日本では、一旦は太陽暦の7月15日をお盆とした。しかしながら、この頃は農作業などで忙しくお盆どころではないので、1ヶ月ずらして8月15日を月遅れのお盆とした。このため今に至る混乱が生じた。都会では、太陽暦の7月15日が支持されていたりするが、田舎に帰ると8月15日、東南アジアに出かけると旧暦の7月15日つまり8月末、ということになる。
 明治政府はほとんどの行事に太陽暦を採用して欧米先進国の仲間入りをしたつもりになっていたようだが、今では季節性が危うくなって混乱を招いているだけだ。伝統行事本来の意味合いを疎かにしていることは間違いない。何かがおかしいが如何ともし難い。
つづく・・・
(「とびらの会」より転載)

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