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45.福岡出張作業、一人旅(1月6日)スペースシャトルメッセージ

※サブビジネスである業務代行の一環としてコロナ禍で戻れなくなった外国人の空き家やトランクルームを代わりに片付けています。

本文は1月3日〜6日間、福岡トランクルーム片付けの依頼を受けて、東京から旅を兼ねて出張に行った話です。

出張&旅4日目(最終日)

<本日のプラン>
天神(ホテルチェックアウト)→博多ポートタワー→博多港国際旅客ターミナル→福岡空港→成田空港

昨夜降った冬雨で
鉄の体が綺麗になった。

今日はスッキリとした青空と
絹の毛布みたいな雲、
気持ち良い海風…

年末年始はともかく、
こんな良い日であれば
自分の頭まで登る観光客たちも来るはず
少なくとも、島々へ往来する
地元の住民たちで
活気あふれて盛り上がるはずだが、

こんなに寂しい日々が続けるのは
この地で初めてのオリンピックが
行われたあの年、
ちょうど自分が生まれてから初めての事…
もう少しで俺も60年を迎える。

目の前バスの終点
今度はどこから誰が降りて来るかなという
ドキドキは
ガラッとしたバスを見て落ち込むのが
もう今年で3年目…俺は…
寂しい…

あ、ちょっとまって…
一人の男が降りた。

立ったままで
俺をじっくりと見ているのだ。

どこで見たっけ?
いや、初めての顔…
だけど、何となく絆を感じる

58年間
ここに訪ねた人を全ては
覚えられないが、
たまーに感じるこんな感情

俺と同じ所
海の方を見ている彼、
仕事でもしたが、
だの旅ではなさそう、
少したびれた動きだが、
何しにきたかしら…

ごめんよ、
せっかく来たのに
俺、休みで
今日は登れないんだ。

どんどん俺と離れる彼の後ろ姿…
誰か似ているさ。


この港から出るのか
向こう側国際旅客ターミナルへ行く彼は
歩きながらも、
時々俺を
振り向いている

プサン港へ行く国際定期船の方まで行く彼
だけどほら、

残念ながらさ、
無駄なのよ…そこは…

……
もしかしたらという気分は
やはりかということであった。

どこかの島へ行く
出発準備のエンジンをかけた定期船は
足を急いぐ
住民と見られるおじいさん一人だけ乗せて
海を出るため
ゆっくり船頭を180度回す。

気をつけて行っていらっしゃい。

市内から遠く見えた博多港ポートタワーは
とても印象的であった。

展望台までは登れなかったが、
ただ絵の様な綺麗な姿を
青空と一緒に見下ろすだけど

それでいいのだ。
二人もきっと
この風景を見ただろう。

今は行けない
ここであの大きい船を乗って
この空の下で
この風景をみて
この風に振られながら
プサン港まで…

いいのだ。
二人の足跡を沿って
相変わらずの
全ての事
丸ごと共感するだけで

いいのだ。

……
あ!
彼の後ろ姿…
15年前訪ねた中年の外国人夫婦
父さんの方とそっくり…

今日みたいな
あの日
観光で来たらしい夫婦
俺の頭まで上り

東京で勉強している
息子に会いに来て、
帰り道だと、

羽田の空路から来て
九州を自由に周遊して
向こうに見える大きいな
Camelliaに乗って
プサンに、プサンからまた
高速鉄道で帰ると

自分の立派な(?)旅プランの自慢と
息子の自慢…

朝から飲んだか、
気持ち良さそうに
軽く酔ったお父さんと

そんな夫に
仕方ないなという
困った顔のお母さん

面白い夫婦だなと思った俺…
お父さんの後ろ姿を思い出して
先の彼は息子というのが
やっと分かった。

15年ぶり
やっと来たね…
ようこそ!

父さんはお空から風になって
ドキドキ来たわよ。

息子が来るかもよ。
宜しく!と

博多港
ポートタワーからの
スペースシャトルな

メッセージ…



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