幽霊騒ぎ#2

嘘みたいな先任下士官(一般兵士の上級者である福士官級)の話で俺はびっくりした。

「あそこは一番下級者の警戒所じゃないですか。」

「うん、知っている。だけど、いつも未熟な者が入るからあそこにしょっちゅう寄る当直士官(一般将校級)とか当直司令官(指揮官レベルの将校級)からの(ミスが多いという)指摘が多いと、今朝の会議で番長(軍犬番指揮官)から言われた。それで、しばらく間は熟練の一番先任兵(兵長級)が入ることに決めた。」

「Σ( ̄□ ̄|||)」

「泣き面に蜂」とう言葉はこう瞬間の為存在するだろう!

霧の濃い夜、噂の「草善」との噂の「第3警戒所」勤務なんて…

確率的にも低い、まさかのあり得ない恐怖の三拍子が絶妙にそろって来たのだ。俺に…

噂の「第3警戒所」は僕らの哨兵(警戒勤務する兵士)達の中で有名、いわゆる「幽霊警戒所」と言われる(だから、一番下級者が勤務する警戒所であった)ところであった。

自分が新兵(新人兵士)の時、先輩兵士から初めて「職務適応教育訓練」を受けたところがあの「第3警戒所」であった。

警戒所へ初めて勤務の時は最初の何回は経験豊かな先輩兵士が同行して教えるのがルールであっだ。

当時、先輩はこういう(いっそ聞かない方がよかった)話を聞かせてくれた。

「お前、知っている?ここはさあ、勤務中絶対居眠りしちゃいけないところなんだよ。俺がさあ、一等兵(兵士で二等兵に次ぎ2番目低い階級)の時さ、二等兵(兵士の中で一番低い階級)のやつ一人がここで居眠りしてさあ、どうなったと思う?急に、変な気分になって起きたみたい。ところが、目の前が一瞬真っ暗になって今何時か、いったいここはどこか全然分からなくなっちゃったって。一瞬方向と時間の感覚を失ったわけよ。」

「…」

「こういうことあるじゃない?いっぱい寝て急に起きるとさ、今が昼間か夜か翌朝かなかなか判断できない時。あまりにもいきなりだから当惑しちゃって背筋が寒くなったって…普通はさ、こういう時はちょっと時間経つと平気じゃない?だけどさ、こんな状況がずっと続けてパニックになったみたい。

正におびえる状況かも。それでさあ、今度は急にどこかから女の香水の香りがしたって。しかもめちゃ濃い。」

「(+_+)」

「考えてごらん、あのところでさ、夜中のあの時間にあり得る?」やつはそのまま悶絶して倒れてちょうどそのあたりを巡察した当直下士官に見つけてさ、結局国軍統合病院に運ばれたって。」

「…」

こんなふざける話は忘れればいいのになんで昨日聞いた話のようにこんなに鮮明にひらめくのか。

霧の濃い夜「草善」と「第3警戒所」で6時間近く支える。これは罰ゲームにまちがえないだろう。

嘘のような現実に俺はにっこり笑うしかなかった。

<続き>

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