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2-7.添乗員の作業−①打合せ(下編)

連絡と確認のリレー

指示書や名簿の確認が終わったら書いてある各所へ確認連絡をして必要な情報を集めます。
団体ツアーを構成する要素の中で一番比重が高いのはどれでしょうか。
どちらも大切ですが、
やはり移動する交通手段と宿(宿泊ツアーの場合)ですね。
寄り先(観光地)は例えば、事情があって最悪の場合一か所ぐらいキャンセルされても
ツアーは何とか続けるけど、移動手段と宿が問題あったら
ツアー自体がそろそろ終わりですね。

◆バス会社
なので観光バス利用の場合、まずはバス会社へ連絡します。
バスは大きく分けて大型バス、中型バス、小型バス、マイクロバスと分けます。
パッケージツアーの団体の場合は旅行会社の収益のこともあり、ほとんどが
大型バスとなります。
大型バスは10列の正シート41人乗り、11列の45人乗り、12列の49人乗りがあります。(補助席は安全のためお客様は使わさせないです。)
最後列の真ん中シートは一応正シートにはなっていますが、車窓から景色もあまり見えないし、何となく不便なのでなるべく避けます。(同じグループで横並び揃う場合はOK)
その他種類では2階建てバスも、トイレ付バスもありますが需要も数も少ないです。

ここで面白い事。
トイレ付バスはお客様として渋滞など考えてとても安心感があり、旅行会社もツアーのタイトルに付けるほど好かれます。
が、実際には清潔感や走行中バスでの不安、不便さなど先入観もあり
意外とあまり使われてないです。
トイレ付バスでホッとするけど、結局サービスエリア、道の駅のトイレを利用するのが人の心理です。
トイレは人間の一番基本的な欲求でありながらプライバシー的なことあるので心理的な問題が作用すると思います。

精神的に落ち着く!だけ!
話が江戸川を沿って太平洋まで行ってしまったのでそろそろここで戻ります。(;一_一)

バス会社へツアー番号、日にち、ツアー名、バスタイプ、車番、ドライバーの情報、ガイド付きの場合ガイドの情報、配車場所、時間などを確認します。
人にも企業にもその評判がある様にバス会社も業界ではある程度クオリティの評価はあります。
添乗員もその評判がある様にドライバーも業界ではある程度評価はあります。
その評価や評判を超えて

番大事なのは参加されたお客様が安全で、安心で、楽しめる様に雰囲気や環境を作ることです。限界があるかもしれませんが、添乗員の能力が必要な要素dす。

◆宿
寝心地がは翌日のコンディションやテンションを左右します。
良く寝てスッキリするのは人間としてとても大事です。
プライベートツアーなら関係ないですが、
やはり50人近くの人数の宿泊は一人一人不便がない様に気を使います。
温泉ホテル、シティーホテル、旅館など種類によって部屋割りから施設、大浴場の時間、食事時間、メニュー、売店有無、ない場合周辺コンビニあるかなどまで細かく確認します。


自分の連絡先からバス到着、出発予定時間、バス会社の名前や車番、色などまで
アレルギーや特別な配慮が要るお客様の情報まで…
これで添乗員も宿もお互いのイメージが頭の中に入って来ます。
一方通行じゃなくてコミュニケーション!
これが大事です。

◆各所への連絡
途中で寄る各観光地、買い物先、お弁当やお土産などオプション商品の業者さんなどと連絡し必要な事項や情報を確認します。

滞在時間が限っているサービスエリアや観光地でお弁当やお土産の業者さんとの連絡は時間なとがとても大事なの途中での入れ込み連絡は必須です。

鉄道、航空機、船舶と並行する場合
新幹線の場合チケットの代わりに団券という一枚の証明書で済みます。
座席のエリアが予め指定されて書いてあります。
人数が多いので号車が分かれることがほとんどです。
明確に書いてあるので特別なことがない限りは別に連絡する必要はありません。

航空機国内線の場合JALは添乗員が座席を決めるので連絡する必要があります。
業界用語でシートアサインといい、ツアー人数分の座席エリアを聞くと航空会社が枠のブロックを指定してくれます。
ANAの場合すべて航空会社が座席まで決めてチケットを旅行会社まで届けします。
添乗員自分で座席を付けるJALも面白いですが、時間が足りない時は全てやってくれるANAも助かります。(^^♪
船舶は基本的に港へ着いてからの手続きなので連絡してお互いツアーや乗船する船の情報を確認すればOKです。

神戸と大分間を夜行運行するサンフラワー号など船で宿泊する場合は宿と同じ扱いで船室割が必要場合もあります。

◆お客様への連絡
旅行会社によります。
普通は新幹線利用の場合、途中乗車やその他確認事項など用事があるお客様に限り連絡します。
そして、添乗員から前日連絡希望の方、

旅行会社によって「安心コール」というこだわりサービスもあります。

特に高齢者のお客様はいろいろ心配でとにかく前日連絡を希望することも多いです。もちろん、無料です。

一方、参加されるお客様全員(グループの場合代表者)に連絡することになっている旅行会社もあります。
留守番もあり、電話に出る時間帯のタイミングもあり、一人一人こだわり、質問、個性もあり

これは正直相当疲れるかなりの重労働に間違いないです。

◆書類一式とツアーグッズ取り
連絡と確認が終わったらツアーに必要な用品や書類一式を取ります。
バッジから旗、ツアータイトルカード、領収証、オプション申込書や案内パンフレット、離団書、アンケート用紙、事件、事故、クレーム報告書、バス席割図、新幹線の場合団券、宿部屋番号及び案内書、鉄道座席表、地図や資料などがあります。

◆添乗金など受領
添乗金やETCカード、業務用携帯やタブレット(出る場合)、各種チケットももらいます。
かなりの大金額なので命と同じというのはいうまでもないです。
大手旅行会社は一日数百人の添乗員を相手にするので効率を高めるため
添乗金受領する時間は何時までなど各作業別に細かく時間が制限されています。
マイペースじゃなくて正確さと同時に迅速さも必要な理由です。

そろそろ?

いいえ、まだ終わっていません。
大事な大事な作業が残っています。

◆バス、新幹線など席割
自分で決めるので面白い作業でもありながら責任やトラブルの可能性もある作業です。
第一前提は平等!
自分も知らないうちに、それとも個人感情が入ってどちらかに傾けると不利益だと思われるお客様からのクレームが待っています。

バス座席を前方、後方席など、新幹線含めて車窓、通路側など、新幹線の場合3列席、2列席など人によるこだわりがあります。

皆少しでも損したくないのは人間として当然な気持ちです。
しかし、皆の要求に応じるのは不可能です。
さあ、どうすればよいでしょう。


① 申し込み順で決める。
これが一番基本的な方法です。これなら文句はほどんどないです。
② オプションで座席を売る。
ちょっとずるいかもしれませんが、バスの場合大体前方席を狙うので500円などで売ります。確実に座れます。常識を破って後方席を有料で販売する旅行会社もあります。僕は座ればどちえあでも結構ですが。(@_@)

奇数、偶数でグループが分かれるのも多いです。

この作業の悩みで課題です。
せっかくの旅でゆっくりおしゃべりしたかったのに別れて知らないグループのそばに座るのは確かには不満ですね。
その場合は補償の観念としてお客様のテンションを上げるための何か(お金じゃなくて)を工夫します。
宿泊ツアーの場合はバス席を公平のため毎日変えます。
その時席が別れたグループは必ず一緒にして逆に一緒にされたグループを分けます。
一人参加の場合通路席になったお客様は翌日必ず窓側にします。
前方席、真ん中席、後方席三つエリアに分けて有料席以外はローテーションします。

これが席割の基本です。
新幹線や鉄道も基本的に同じです。

いつかのツアーで新幹線を利用することになりました。

席割で悩ん打末、5歳お子様と参加された若いお父さんのお客様の座席をやむを得ず横並びでなく、前後席にしたことでクレームをうけたことがあります。

結局、他のグループのお客様の配慮で横並びになりました。

相手の立場…

今子供を育っている立場で考えてみると…

実に不安だったでしょう。

十分納得できます。今でも忘れずに反省し、申し訳ない気分です。

◆宿の部屋割(宿泊ツアーの場合)
公平、平等、バランス…
大前提は例外ありません。
ただ、赤ちゃん連れの方、足が不便な方、高齢者(まあ、参加者は高齢者が多いですが)など基本的な配慮はします。

席割、部屋割が終わったらお客様に配る宿部屋割り表兼案内書、オプション商品申込書などは必要な分をコピーします。
最終的に忘れた事、忘れた物、不足なことはないか、確認します。
確認事項を含めて分からないことをまとめて担当者に聞きます。

ここまでが大体のツアーの打合せ作業ですが、連続ツアーの場合二件を重ねて打合せするケースも多いです。
一日で終わるかな…
正に時間との闘いです。それでも仕事が残ったら自宅で持ち帰ります。

◆まとめ

自分の最後は頭がおかしくなってパニック状況になったことも、

もちろんありました。


その時は先輩の添乗員や派遣会社の担当者が助けてくれました。
そういうことが段々重ねて乗り越えながら成長しました。

だから今の自分はその方々のお陰で成り立ったわけです。
まずは落ち着いて自分なり頭の中で順番を決めてイメージトレーニングするのが大事です。すべての仕事に該当されます。
そして、お客様の立場になることです。

誰でも出来る添乗員の仕事だけど、

誰でも出来るわけがないてのが添乗員の仕事です。

世の中でくだらない仕事は存在しません。

それなりの価値があります。

その価値を決めるのは

あなた

自分です。

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