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バチェロレッテ感想。何も捨てられないのなら何も愛することはできないよ。

バチェロレッテを見ていろいろ思うことがありました。結婚とは…とか、どう生きたいか…とか、みんなはどう思ってるのかなとか。そして自分なりに愛の正体を考察しました。そしたらノリに乗ってnoteにしたくなりました。
突然始めます。
あらすじやネタバレは書きませんが、推察できる内容なのでまだ結末をご存知ない方はご注意ください。

1.萌子さんに対して思ったこと
萌子さんはローズセレモニーの度に「私は自分の選択に自信がある」的な発言をされていました。最終話においても「旅の終わりは私が決める、私の旅だから」と発言があったりと、萌子さんは決断に対する意識が高く、非常に潔癖です。理由を自分の言葉で説明できないと、彼女にとって決断したことになりません。
しかし私は、萌子さんは決められない人なのかなぁ〜と思ってしまいました…。
北原さん(料理の人)が言ってた「ガチすぎて逆に選べなかった」というところに共感しつつ、「いやでもそれだと大事なことは何も決められなくなっちゃうけど大丈夫か?」と勝手に心配な気持ちになりました。
現に萌子さんは、20人の参加男性の中から結婚相手を決められませんでした。
決めないと決めた、的な帰結になってたけどこれは「決められなかった」と言っていいと思います。
あ、もちろん萌子さんの決断に異論はないです。萌子さんのことは大好きです。ムカついたりしてないです。矛盾とかも感じてないです。ただ私の意見を述べるだけです。萩原さん(サーファーの人)と同じように。

2.候補者も期間も有限である
結婚相手を選択するには、限られた出会いの中から、限られた期間のうちに1人を選び出す必要があります。
ここに関して、当たり前なようでそう理解していない人は多いと思います。
私たちが出会える人の数は35億とかじゃないです。今まで付き合った人、出会った人で結婚が現実的に考えられそうな人を数えてみたら明らかかと思います。
しかも思ってるより短い期間のうちに、かなり少ない中から一旦誰かを選ばないと結婚できません。バチェロレッテなどの番組による企画だけでなく、そもそも結婚相手を探す期間は有限なのです。なぜなら人生が有限なので。
もっと言うと「女性には出産のタイムリミットがある」という話に繋がります。萌子さんは子を産むことを真剣に望んでいるので、よりシビアかと思います。
萌子さんの立場に立って、より具体的に考えると、期間は長くとも3年くらいかな。人数で言うとバチェロレッテの方々を除いて、多くとも50人くらいを検討できるでしょうか。さらにその中から自分と結婚したいと思ってくれる人に絞られるので、より少なくなります。
絶対結婚したくて絶対出産したいのであれば、その少ない候補者の中から誰かを必ず選ばないといけないです。
アフターローズで、藤井さん(イベント何とかの人)がプンプンしながら「選ぶ努力をしろよ」的なことを言っていました。震えながら怒っていたのに、本人が出てきたら一気に元気がなくなったのはいただけませんが、努力してでも選んだ方がいいのではというのは同感です。
また、同じ場で下山さん(不倫の人)が「あなたなりに正義があるのは分かった。ただそしたら結局、あなたが結婚相手として見られる基準は直感になっちゃうの?じゃなければ何ですか?」と本質的なツッコミを入れていました。人生経験があるだけあるなと思います。
それに対し、萌子さんは「それは私も探しているところ、愛の正体が知りたい」と、ちょっぴりズッコケな回答をしていました。
男性と出会って、デートして理解を深め、運命を感じる"何か"を探り当て(←そしてそれは言語化できる必要がある)初めて結婚を考えられるという意味でしょうか。そしてその"何か"こそ萌子さんの探している"愛の正体"である。
そらええわな〜そんな人生に1度か2度あるかないかの素晴らしい、宝物みたいな出来事が3年以内に起これば最高だと思います。でも、出産を視野に入れた結婚を決める過程でそれを望むのは、いくらなんでも相手軸すぎる…と私は思ってしまいます。
ちょっと自分でコントロールできる範囲を超えている気がするのです。

3.譲れない自分軸があるか
何かを選択するには自分の考えが必要です。自分の考えは自分でコントロールが効きます。コントロールという表現には、状況に応じて修正するのは大アリ、という意味が込められています。期間の限られている婚活は特にそれが色濃く出ます。就活とかに近い。
【自分で決めた軸(指針とでもいいましょうか)に対して】、【今ある資源の中から】寄り添ってくれているものを選び取る。
萌子さんは「結婚相手に選ぶ基準である"何か"=愛の正体(現状不明)」とお考えですが、結婚相手を選ぶ上で照準すべき基準は愛の正体ではないです。
自分がどんな人生を送りたいか、その人生において結婚にはどういう意味があるか、そして相手に何を求めるか…といった、あくまで自分が起点であるものだと思います。
私は、萌子さんの場合、本人の話からだと置くべき軸は「出産」だと勝手に捉えていました。
なので、どんな子育てがしたいか、理想の教育方針は…と掘り下げ、大きな齟齬がない人を見つけるのが現実的な気がします。
五島さん(侍の人)、萩原さん(サーファーの人)が落とされた流れはそういう過程だったと思います。あくまで「萌子さんにとって」、言葉遣いはとても大切であり、押し付ける育児はしたくなかったから、2人は合いません。
(※出産に軸を置くと、それこそ自分たちでコントロールできることが全てではないので、諸々タラレバ論も考えておく必要があるとは思いますが、ここでは割愛しちゃいます)
自分のありたい人生を鑑みて、今いる人たちからその片鱗を見ていき、絞っていく。結果的に残った人が現状最も合う人、となるはずなのでバチェラー/バチェロレッテは優れたシステムです。
「現状最も合う人」なんて、萌子さんは妥協だと仰るでしょうか。
私は妥協だとは思いません。1番大切な自分軸だけは絶対に譲らないからです。

4.萌子さんの軸は
とは言え、萌子さんが絶対に譲れない何か(何なのかは分からないから今のところ愛の正体と称している)があって、次にお付き合いする人はそれを持っている人じゃないと無理というのは全く我儘ではないです。
ただ、萌子さんにとって自分の軸が不明なだけ。では萌子さんの軸ってなんだろう?そもそもそれって結婚なのか?
見てると、萌子さんは、男性として恋焦がれる人に、同じように恋焦がれられるのを求めている感じがありました。
黄さんのご両親が一目惚れ結婚してて、うちの両親もなのー!とテンション爆上がりなさっていたので…(萌子さんのたまに出る「◯◯なの!」って喋り方可愛いですよね)。
だとすれば萌子さんが置くべき軸は【恋愛】でしょうか?
大好きな人と結婚したいから、大好きな人と出会えるまでは結婚できないという理屈。
あーなんかアフターローズでそんな感じのことを言ってた気がする。杉ちゃんもそれで散ったし。
さもありなんです。ただ、さっきも言ったように、数年内に結婚したいと考えるにしては相手軸すぎて、自分のコントロールの余地が少ない気がします。
恋愛に軸を置くなら、「次付き合う人と絶対結婚」とか「出産」は一旦脇に置いておかないといけません。だって大好きな人が結婚願望ないかもしれないし。

5.選択とは
このように、何かを選択をするのは、選択しなかったものを捨てるということです。
萌子さんは、軸がたくさんあって、ここにいる人たち、どこかは良いけどどこかは欠けてて、だけど出産も考えているので時間的に猶予もそんなになく、次付き合う人と結婚するって決めてるから中途半端な答えは出せないし…、と何も捨てられませんでした。
結局みんな切られたという結果から、パッと見は潔いようですが、実は全然捨ててないです。捨ててないからこその決断だと思いました。
人は多分、決断する時に何もかも思い通り手に入れられることは少ないと思います。
むしろ思っていた通りにいかないことがありまくります。
でもそれって選択のために自分の価値観をブラッシュアップするとでもいいましょうか。多かれ少なかれ、目的を叶えるために必要なことです。

6.愛の正体
そんなわけで私にとっての愛の正体は、まさに「選択」です。杉ちゃんのことは好きだけど、花びらとか溢れた水とかじゃ全然ないです。
自分の軸を信じて、いろいろ捨てた先に選択したものこそが、真に私の愛するものです。
愛の正体の何たるかを見つけ、選びとるのではありません。逆です。選んだものを愛するしかないです。捨てたものを思い出しながら。
人生に変化があって、自分の軸が変わったらまた何かを捨てることがあるかもしれません。ただその時は、別の何かを選んでいるはずです。絶対の愛はなくても、自分軸があればそれに応じた愛がいつも側にあると思います。
ロマンチックのかけらもない、大事なことを決めるための狡猾な作業を、「バラを渡す」という行為で美しく表現してくれてるのがバチェラー/バチェロレッテだと思います。
なので最後バラが1本残っちゃうのは結構悲しい。作品としては美しくないので、萌子さんも辛かっただろうな〜と思います。

長々書きましたがとても楽しかったです。
ちなみに私は黄さん推しです。うわーこれ演技だろうな〜でも良い❤️と思わせる魅力があります。田中みな実さん辺りを見るような気持ち。弱った瞳で「誰かとちゃんと結婚したいなぁ…」などと呟く姿とか、計算であっても萌えました。

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