最期に残す言葉とは? dangotv.jp
「さようなら
これでおしまい。
あなたに会えて、幸せでした。」
直筆で、この短いメッセージを最後の自力投稿でSNSに残し、彼は逝った。
投稿されたのは6月9日。その後 50日間もの闘病は続き、自宅で息を引き取ったとのことだが、この6月9日の投稿の際に「まともなことが書けるうちに」と添えてあったので、その時点で彼自身はギリギリだったろうし、明日をも知れぬと覚悟を決めていたことがわかる。
3年前、東京に単身赴任していた私は、急性心筋梗塞による激しい発作に襲われた。それまでも度々発作があったので医者から処方されていたニトログリセリンを口に含んだが、この時は全くおさまらず、たった一人の部屋で一歩も動けず、意識が遠のいていく中、震える手で書いたのが遺書だった。
意識朦朧でなんとか書けたことは、彼よりさらに短く、内容は彼とほぼ同じだった。
「さようなら ありがとう 幸せだった」と。
だから彼の気持ちも、その時のギリギリの状態も、私にはリアルすぎる。
このメッセージは、とても短いが、とてつもなく重い。
一人ひとりに書きたかったであろう言葉の数々が全てそぎ落ちて残った、この言葉を書き残している彼の姿が、あまりに悲しい。
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