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We Are 315!! が最高って話


作品には、それを象徴する言葉がある。

アイドルマスターsideMのキャッチフレーズは、
「理由あってアイドル」だ。
こんな記事見に来るのは大体アイマスについて知ってる人だと思うので、ここではアイドルマスターsideM自体の説明は省略させてもらうが、
アイドルになるきっかけとなった過去が、想いがそれぞれにあることを端的に示した、象徴的なフレーズである。
sideMといえば「理由あって」だと、世間にも認知されているだろう。

しかし、私は「アイドルマスターsideMを象徴する言葉って何?」と問われたら、

「We Are 315!!」

だと答えるだろう。


過去現在未来を肯定するフレーズ

We Are 315!! は、元々は最初にリリースされた315プロダクション全体曲、
DRIVE A LIVEの中のワンフレーズである。

315は「サイコー」と発音する。

いわゆる「Cメロ」の、少し曲調の穏やかで切ない雰囲気になる部分のラストに現れるフレーズだが、少々引用させてもらう。

切なさも 悲しみも
心(ココ)に刻んで 振り向かないさ
優しさも 温もりも
連れていくから
Just Keep On Going
We Are 315!!

「理由あってアイドル」のキャッチフレーズの通り、アイドルたちには理由がある。

 大切なものを失ったり、自分の望む通りに生きられない苦しみ。
 悔いてとらわれたりはしないけど、決して忘れもしない。
 誰かに救われたこと、叶えたい夢があること。
 アイドルであることを理由に、何かを捨てたり諦めたりもしない。
 さあ、突き進もう。
 俺たちは 315プロダクション / 最高 だ!

という意味だと自分は解釈している。
兎角前向きな歌の中で、過去を語るCメロのラストが「We Are 315!!」で締めくくられる。
未来に向けて進むだけでなく、過去を含めた肯定の歌が、このDRIVE A LIVEでなのであろう。


詞から、叫びへ。アイドルから、Pへ。

さて、このWe Are 315!! だが、DRIVE A LIVEで歌われるだけに留まらない。
アイドルマスターsideM全体における「掛け声」として、キャラクター、演者、プロデューサー(プレイヤー)問わず使用されるのだ。

ゲームのストーリー内で、アイドルたちがライブ前に気合を入れる掛け声として。
演者さんたちがライブ前に円陣を組むときの掛け声として。
キャラや演者がプロデューサーと交流をはかるコールアンドレスポンスの掛け声として。

「We Are~?」
「315ーーーー!!」

と、発せられる。

ライブでDRIVE A LIVEを歌うときにも、We Are 315!! のフレーズは客席のプロデューサーたちも皆一体となって叫ぶ。
びりびりと、空気が震える。

「我々は、315だ!」と。

ライブやライブビューイングに参加したり、動画等でこのくだりを見るたびに、私はこの事務所の名前が「315プロ」で良かった、と思うのだ。


人生でどれだけ、自分に対し「最高だ!」と叫べるときがあるだろう。

冗談でなく、「俺たち、最高だよな!」って誰かと一緒に叫べることは、
そんな仲間に恵まれる幸運は、果たしてどれほどあるだろうか。

sideMは正義の味方になりたいという天道輝を筆頭に、誰かが困ったとき助けたい、目標に向かう人を応援したい、という意向のアイドルが多く、楽曲もそれに沿っているものが多々ある。
背を押す、寄り添う、手を引く。
そして、一緒に叫ぶ。

「We Are 315!!」は本来、歌うアイドルのための言葉であっただろうし、我々が口にすることを想定していたのかどうかはわからない。
しかし「We」の中に、
アイドルが、
演者が、
多くの裏方スタッフ達が、
プレイヤー/プロデューサーが、
今となっては含まれると、自分は信じて疑わない。

俺たちが「プロデューサー」である以上は俺たちもまた315プロダクションの一員であるという意味での「315」。

そして、「我々は最高だ」という意味での、「315」。

自分自身が何か変化するわけでもないのに、言葉の力というのは偉大なもので、口にするだけで自分が「最高」に近づいたような、
強い強い自己肯定の言葉。

アイドルマスターsideMは、人を応援する力に満ちている。
この「We Are 315!!」には、俯いた顔を前に向けさせる力があるように思えてならない。


機会があれば、ライブの舞台裏等が収録されたものを、ぜひ見てもらいたい。

本番直前、控室。
演者であり、アイドルである彼らが叫ぶ。

「We Are 315ーーー!!」

長く、長く、息が続く限り。
互いに負けないように、高めあうように。
肩を掴んで、背を叩いて。

強い、sideMの象徴としての言葉を、私はそこに見るのだ。



※写真は1stライブ、夜の部前のアンフィシアター。
 現地に行けたのはこことグリーティングツアー札幌だけだ。