米国株、ダウ反発し391ドル高 買い直しの動き優勢 ナスダックも反発

米国株、ダウ反発し391ドル高 買い直しの動き優勢 ナスダックも反発

米国・欧州株概況
2023年11月11日 6:34

【NQNニューヨーク=稲場三奈】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比391ドル16セント(1.15%)高の3万4283ドル10セントと、9月下旬以来の高値で終えた。金利の上昇を背景に前日に進んだ株売りが落ち着き、買い直す動きが優勢だった。週末を控えた持ち高調整の買いも入りやすかった。
足元では米景気減速や労働需給の緩和を示す経済指標が相次いでおり、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測は後退している。市場では「インフレが鈍化していることは引き続き相場の支えとなっている」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれた。
9日にはパウエルFRB議長が国際通貨基金(IMF)のパネル討議で、「さらなる引き締めが適切になれば、ためらいなくそうする」と述べた。金融引き締めに積極的な「タカ派」的な発言との見方があったものの、政策スタンスは大きく変わっていないとの受け止めが広がり、10日には株を買い直す動きが出やすかった。
午後にはサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が米CNBCの番組で、「このところのインフレに関するニュースはまずまずの内容だ」と述べた。一方で、「(インフレとの闘いに)勝利を宣言するにはまだ早すぎる」とも語り、引き続きデータ次第で政策判断をする姿勢をみせた。
個別では、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップル、顧客情報管理のセールスフォースといったハイテク株が買われた。航空機のボーイングや金融のJPモルガン・チェースなども上げた。原油価格の上昇を受け、石油のシェブロンも高かった。半面、映画・娯楽のウォルト・ディズニーや医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、スポーツ用品のナイキは下落した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比276.660ポイント(2.04%)高の1万3798.108と9月中旬以来の高値で終えた。画像処理半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラの上げが目立った。
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