米国株、ダウ反落し317ドル安 FOMC受け米利下げ観測後退 ナスダック2%下落

米国株、ダウ反落し317ドル安 FOMC受け米利下げ観測後退 ナスダック2%下落

米国・欧州株概況
2024年2月1日 6:29

【NQNニューヨーク=横内理恵】1月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比317ドル01セント(0.82%)安の3万8150ドル30セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が31日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明などで早期の利下げに慎重な姿勢を示した。過去最高圏で推移していたため、利益確定売りも広がり、この日の安値圏で終えた。
FRBはFOMC声明で追加利上げに含みを持たす文言を削除した代わりに、「インフレ率が持続的に(政策目標の)2%に向かっているとのより大きな確信を持つまで、政策金利の引き下げが適切になるとは考えていない」との文言を加えた。
FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長はインフレ動向を見極めたいとの姿勢を鮮明にし、利下げを始める時期について「3月会合の時までに確信に至っているとは考えにくい」と述べた。米金利先物市場では3月の利下げ予想確率が一時4割を下回る水準に低下した。
ハイテク株への売りが目立ったことも投資家心理を冷やした。前日夕に2023年10〜12月期決算とあわせて公表した業績見通しが慎重と受け止められたソフトウエアのマイクロソフトが3%弱下げた。ネットワーク機器のシスコシステムズや顧客情報管理のセールスフォースも売られた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日夕発表の四半期決算や業績見通しを材料にネット検索のアルファベットが大幅下落し、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も下げた。
ダウ平均は底堅く推移する場面もあった。朝方発表の1月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。23年10〜12月期の雇用コスト指数は7〜9月期に比べ0.9%上昇と市場予想に届かず、労働市場の過熱感が薄れていると受け止められた。米長期金利は前日終値の4.03%から3.9%台に低下した。
ダウ平均の構成銘柄では31日に発表した決算で赤字幅が市場予想より小さかった航空機のボーイングが大幅高だった。医療保険のユナイテッドヘルス・グループも上げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比345.885ポイント(2.23%)安の1万5164.012で終えた。下落率は23年10月下旬以来の大きさだった。
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