米国株、ダウ続伸し123ドル高 景気敏感株などに買い ナスダックは3日続伸

米国株、ダウ続伸し123ドル高 景気敏感株などに買い ナスダックは3日続伸

米国・欧州株概況

2023年11月1日 5:44



【NQNニューヨーク=矢内純一】10月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比123ドル91セント(0.37%)高の3万3052ドル87セントで終えた。11月1日午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、景気敏感株などに持ち高調整の買いが続いた。ダウ平均は前週末におよそ7カ月ぶりの安値を付けていたため、売り持ち高を減らすための買いが入りやすかった。

ダウ平均は10月月間では454ドル(1.35%)下落した。下落は3カ月連続で、2020年1~3月以来の連続月間下落記録となる。

FOMCでは政策金利の据え置きが大方の予想となっている。市場では「相場が大きく動くようなイベントにならないと見た投資家が持ち高を中立に戻すための買いを入れた」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との声が聞かれた。ダウ平均は前週末までの2週間で、1200ドルあまり下落していた。

米原油先物相場が下落し、原油高による景気悪化懸念が和らいだことも投資家心理の改善につながった。航空機のボーイング、機械のハネウェル・インターナショナルなどの景気敏感株やクレジットカードのアメリカン・エキスプレスといった消費関連株が上昇し、ダウ平均を支えた。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)が12月以降に再利上げに動くとの観測は根強い。1日のパウエルFRB議長の会見内容を見極めたいとの雰囲気もあり、ダウ平均の上値は重かった。

ダウ平均は140ドルあまり下げる場面があった。建機のキャタピラーが7%安となり、指数を下押しした。朝発表の2023年7~9月期決算は市場予想を上回ったが、10~12月期見通しが物足りないとの受け止めが広がった。同様に朝に決算を発表したバイオ製薬のアムジェンは3%安だった。

7~9月期の雇用コスト指数は前の四半期に比べ1.1%上昇し、市場予想(1.0%上昇)を上回った。米国のインフレ懸念が意識されたのも相場の重荷だった。

通信のベライゾン・コミュニケーションズや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、半導体のインテルが上げた。一方、石油のシェブロンが売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比61.755ポイント(0.48%)高の1万2851.238で終えた。電気自動車のテスラ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなどが買われた。

ナスダック指数は月間では2.78%安となり、3カ月連続で下落した。

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