米国株、ダウ反落し38ドル安 一時4万ドル台乗せも、過熱感が重荷

米国株、ダウ反落し38ドル安 一時4万ドル台乗せも、過熱感が重荷

米国・欧州株概況

2024年5月17日 5:38

【NQNニューヨーク=横内理恵】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比38ドル62セント(0.09%)安の3万9869ドル38セントで終えた。取引時間中には初めて4万ドル台に乗せたものの、短期的な相場の過熱感が意識され、主力銘柄の一部に持ち高調整の売りが出た。米長期金利の上昇(債券価格の下落)も株式相場の重荷となった。

ダウ平均は一時140ドルあまり上昇し、4万0051ドルを付けた。15日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレ再加速への警戒感が薄れた。米連邦準備理事会(FRB)が年後半に利下げを開始し、米景気の大幅な悪化を避けられるとの期待が強まった。

16日にウォルマートが発表した2024年2〜4月期決算が市場予想を上回る増収増益となるなど、企業業績は全般的に底堅さがある。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の良さが意識されるとともに、足元の相場上昇の勢いに乗り遅れないために買いを入れる動きもあった。

もっとも、ダウ平均は4万ドルに達した後は伸び悩み、午後には下げに転じた。今月に入って15日までに2100ドル近く上昇していた。短期的な過熱感が意識され、節目の4万ドル近辺では主力株の一部に利益確定や持ち高調整の売りが出やすかった。

米長期金利が4.3%台後半(前日終値は4.34%)で推移する場面が目立ったのも株式の相対的な割高感につながった。朝方発表の4月の米輸入物価指数が前月比0.9%上昇と約2年ぶりの高い伸びとなり、週間の米新規失業保険申請件数は前の週から減った。FRBの利下げ期待を一段と高める内容ではなかったと受け止められた。

ダウ平均の構成銘柄では前日夕に四半期決算を発表したシスコシステムズが安い。キャタピラーホーム・デポも下げた。一方、ウォルマートは大幅高だった。スリーエムやボーイング、インテルなど相場全体と比べて相対的に出遅れ感がある銘柄にも買いが入った。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比44.069ポイント(0.26%)安の1万6698.321で終えた。メタプラットフォームズが下げた。一方、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は上昇した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?