米国株15時、ダウ続伸 インフレ鈍化示すCPI受け買い膨らむ

米国株15時、ダウ続伸 インフレ鈍化示すCPI受け買い膨らむ

米国・欧州株概況

2023年11月15日 5:04



【NQNニューヨーク=稲場三奈】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、15時現在は前日比551ドル95セント高の3万4889ドル82セントで推移している。朝発表の10月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を下回り、米追加利上げ観測が一段と後退したことで買いが膨らんだ。

10月のCPIは前月比で横ばいと、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)を下回った。エネルギー・食品を除いたコア指数は0.2%上昇し、市場予想(0.3%上昇)以下だった。コア指数の前年同月比の上昇率は4.0%と、市場予想(4.1%)を下回った。インフレの鈍化を示す内容で、米連邦準備理事会(FRB)が高い政策金利を長く維持するとの見方が薄れた。

市場では、「このところの株高を一段と後押しする良い内容だった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれた。シカゴ連銀のグールズビー総裁も14日午後の米経済団体主催のイベントで、10月のCPIは「なかなか良い」と話し、インフレ減速はゆっくりだが確実に進んでいるとの見方を示したと伝わった。

米債券市場ではCPIの発表後に長期金利が大幅に低下(長期債価格は上昇)し、4.45%前後で推移している。株式の相対的な割高感が薄れたのもハイテク株を中心に株式相場の追い風となった。米景気の大幅な悪化が避けられるとの観測から、建機のキャタピラーや航空機のボーイングといった景気敏感株にも買いが入っている。

その他の個別銘柄では、バイオ製薬のアムジェンや半導体のインテルも上昇している。JPモルガン・チェースゴールドマン・サックスなど金融株も買われている。市場予想を上回る決算を発表したホームセンターのホーム・デポも高い。一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや保険のトラベラーズには売りが出ている。

ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発している。上げ幅は2%を超えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?