米国株、ダウ続落し231ドル安 金利の上昇が重荷 ナスダックは7日ぶり反落

米国株、ダウ続落し231ドル安 金利の上昇が重荷 ナスダックは7日ぶり反落

米国・欧州株概況

2024年1月17日 6:29



【NQNニューヨーク=矢内純一】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前週末比231ドル86セント(0.61%)安の3万7361ドル12セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)高官による早期利下げ観測をけん制する発言を受け、米債券市場で長期金利が上昇(債券価格は下落)した。長期金利の上昇で株式の相対的な割高感を意識した売りが優勢だった。ダウ平均の下げ幅は390ドルを超える場面があった。

FRBのウォラー理事は16日の講演で、「政策の軌道修正は慎重に判断し、急ぐ必要はない」と述べた。ここ数カ月のデータはFRBが2024年中に利下げを検討する余地があることを示しているものの、こうした傾向の持続性には懸念があるとの考えを示した。ウォラー理事の発言を受けて、米長期金利は前週末比0.14%高い4.08%まで上昇する場面があった。

一部の主力銘柄に売りが膨らんだのも、ダウ平均を下押しした。ウェルズ・ファーゴが投資判断を引き下げた航空機のボーイングは8%弱下落した。中国で新モデルの値下げが伝わったスマートフォンのアップルも売りが優勢だった。

取引開始前に23年10〜12月期決算を発表した金融のゴールドマン・サックスは1株利益が市場予想を上回ったが、下げる場面があった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、モルガン・スタンレーは決算発表を受け、4%下落した。

市場では「利下げ観測のけん制発言に加え、決算発表を受けた金融株がさえない動きとなったことが投資家心理を冷やした」(ウェドブッシュ証券のスティーブ・マソッカ氏)との指摘が聞かれた。ダウ平均が今月2日に最高値を更新するなど株式相場が堅調だったため、主力銘柄には利益確定売りが出やすいとの見方もあった。

個別では、スポーツ用品のナイキ、石油のシェブロン、機械のハネウェル・インターナショナルが下げた。半面、映画・娯楽のウォルト・ディズニーと通信のベライゾン・コミュニケーションズに買いが入った。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに反落した。前週末比28.413ポイント(0.18%)安の1万4944.347で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのメタプラットフォームズが下げた。一方、バークレイズが目標株価を引き上げた半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は8%上昇した。

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