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店舗改善指導での出来事

先日、銀行の改善指導に伺った支店で、事前に「新しい方を採用したので、その方の応対し指導もお願いできますか?」というご相談をいただいていました。

以前は少しブランクはあるけれど銀行経験をお持ちの方が条件で、応募もたくさんありました。しかし今は、人手不足でも、なかなか応募してくださる方がいらっしゃらなくて、採用された方は銀行業務未経験者ばかりです。

支店も人手が足りないので、本部での研修に時間はかけられず、支店でのOJTに頼っています。しかし、そのOJTも支店には余裕がないため、採用されても続かない方が多いのが現状です。
銀行業務はお客様の大切な財産を管理運用することが目的です。でも、お客様は管理してもらうためだけでなく、安心して手続きやご相談を行っていただけるよう、接し方にも気を配る必要があります。

銀行業務は私の専門外ですが、接客に関して私がお手伝いできることは責任を持って担当させていただきます。ときには、スタッフさんと一日、ロビーに立って一緒に接客をすることもあります。

ご相談を受けて支店を訪問したとき、1番に目に入ってきたのが、新人スタッフのKさんでした。まだ、採用されて3か月あまりなのに、応対がとても感じよくて所作が細部まで整っていました。
「毎日が発見の連続のようです」と支店長がおっしゃっていたのですが、すでにベテラン担当者と思えるような落ち着いた丁寧な応対でした。

ずっとわたしが見ていると緊張されるだろうと思って、お客様がいらっしゃない時に、「とっても素敵な応対ですね。笑顔を見ていると見ている私まで笑顔になれます。基本動作もしっかり実績できていて、素晴らしいです!この調子で応対してくださいね!」とお伝えしました。

すると後ろでその様子をご覧になっていた責任者が
「大西さんの応対ビデオを繰り返し観て練習してもらいました」とおっしゃったのです。 
私の応対ビデオとは、10年以上前にこの銀行のために作った窓口とロビーでの応対動画です。
私がこの銀行の制服を来て、良い応対、良くない応対を実践していて、制作したビデオを全店に配付して改善に取り組んでいただきました。今は、e-Learningの教材になっています。

今もあの教材を活用してくださっている責任者の方の指導の工夫もありがたいですが、何度も観て繰り返し練習を重ね、素敵な応対をされていたKさんの努力に感動しました。

閉店後、Kさんの面談を行ってたとき、「今日お会いして、直接お話しを伺えるのを楽しみにしていました!」と満面の笑み。
そして、
「ずっと経理の仕事をしていて、時々、この銀行に来て、みなさんに素敵な応対をしていただくのが楽しみで、憧れでした!」とおっしゃったのです。本当にご縁のある素敵な方が仲間に加わられてよかったな!と思った1日でした。

余談ですが、あのビデオを制作したことで、未だに「大西さんは、何年入行ですか?」と聞かれるわたしです。

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