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自分を鍛える 自分を磨く

最近、よく目にする「大人の学び直し」という言葉。
この言葉に、私は強い違和感を感じます。

先を進む者として、学び続け進化し続けることが、後に続く人の道しるべになる。
だから、大人こそ、学び続ける必要があると思っています。
そして、その学び方は、学校での学びとは根本的に異なります。
学ぶというより、自分自身を磨く、鍛えるという方がしっくりくると思っています。


「自分自身を磨く」とは?

自分を鍛え磨く目的や方法は、若いころからずっと同じではなく、世代や時期によって異なります。
社会経験が少ない頃は、仕事と人間関係が良好になるよう、必要なスキルや考え方を学んで、自分の中に取り込んでいきます。
「社会人になったら好きなこと、やりたいことに力を注ぐもの」と言われますが、それは、組織人としてやるべきことがきちんとできていること、ニーズにきちんと応えていることを前提にしています。

そして、学生の学ぶ目的が「わかるレベル」だったことに対し、社会人の学ぶ目的は「できるレベル」。理解して終わりではなく実践と検証を繰り返し、自分の血肉にしていくために学びます。

資格取を取得することも、自分を磨く方法の一つです。
そして取得することはゴールではなくスタート。
その資格を仕事の中で活かしながら、取得したとき以上の知識や経験を取り込んでいく。

「私は●●の資格を持っています」と、自分で言わなくても、仕事への取組み方や人への関わり方そのものが、その資格本来の目的や大切なポイントを踏まえたものになっていること。いくつもの資格を持っているだけに留まらず、一つの資格を極めていくことも大切だと思いますし、そのために、20~40代の時間を費やすのは、価値あることだと思っています。
また、その時期は、自分を鍛えるにも、磨くにも、最も活力があり成長が目覚ましい時期と言えます。

では、人生の後半に差しかかったときの鍛え方、磨き方はどうか?

同じことを鍛える、磨くにしても、他の人たちへの影響力の大きさを認識しているかどうか?が大事です。

得意な分野を極めるにしても、新たな分野にチャレンジするにしても、知識やスキルばかりに目を向けず、明確なビジョンを持ち、内面を充実させながら、進化する姿勢や行動を示しているか?

良質な素材を使って最高の料理を作っても、それを入れている器が汚れていたり、ひび割れていたり、盛りすぎて溢れかえっていては見向きもされません。知識やスキルを習得すること以上に、自分自身のメンテナンスが求められます。

また活躍の場が多く、体力・気力とも最も充実していた頃は、パワーを落とさず走り続けるために、目に見える部位を磨き、鍛えることが求められました。しかし、歳を重ねるにつれ、若いころと同じようには動けなくなります。
目は見えない部位を、毎日欠かさず丁寧に大切に手入れしながら質を保ち、輝きを放つことができるかどうか?
新品のような輝きは出せなくても、質感や風格という魅力を醸し出すことはできます。

人と競ったり張り合うのではなく、自分自身にしっかり向き合い、自分にとって最も必要なことを少しずつ取り込みながら、自分のクオリティを高め続けること。
言葉で自分を鍛えることや磨くことの大切さを伝えるのではなく、後に続く人たちに、「まだまだ私にもやることがたくさんあるかもしれない!」と思ってもらえるよう、取り組む様子を見せることが、私自身にとって、鍛えることであり磨くことだと考えています。

仕事を通じてはもちろん、仕事以外のところでも、”自分の持っているモノが、本当に周りにとって役立ち貢献できるものかどうか?”を試しながら、新たな問題や課題を見つけて鍛え続け、磨き続けていく。

命の灯が消えるまで、そんな鍛錬の毎日を重ねていきたいと考えています。

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