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14.2人の恩人

広島の企画会社のH社長。
H社長は、Uターンして、初めて自分の夢を話した女性です。彼女との出会いがなければ、研修講師になることは、こんなにも早く実現することはなかったでしょう。彼女は、私にとって、生き方の目標でもあり、よき理解者、よきアドバイザーでもありました。

「すぐに仕事はできないけど、いつかは社員研修の講師になりたいと思っているんです。そのために、準備していることや、作った資料を送らせて貰っていいですか?」

今、考えたらとても失礼なことをしていたな_と顔が赤くなります。会ったこともない人に、電話で自分の夢を話し、一方的に資料や手紙を送りつづけたのですから・・・。

でも、初めて話をしたとき、熱心で、力強い言葉が、電話の向こうから伝わってきて、“この人なら、私の思っていることや考えていることを、全部受け止めてくださるのではないか”と思ったのです。
雇ってもらいたいとか、仕事先を紹介してもらいたいとか、そんな気持ちは全然ありませんでした。ただ、コツコツと積み上げてきたことを、家族以外の誰かに認めてもらいたいだけでした。

H社長に出会ってから、半年ほどたった頃、彼女から、「紹介したい人がいるんだけど、一度会ってみませんか?」という電話が入りました。

Mさんとの面談の直後で、悶々とした日々を送っていたので、「是非、お願いします」と即答しました。

その直後、1本の電話が入ってきました。
「Hさんから、紹介していただいたんですけど。。けいこさん?はじめまして!Sと申します」

朗らかで、とても丁寧に話される声の主は、Jという研修会社のSさんでした。

CA時代に培ったマナーを社会に役立て広めていきたい_と言う思いで2年前に会社を起こされたばかりでした。

“まだまだ手探りの状態なのよ!”とおっしゃりながらも、とても楽しそうで、生き生きとした様子が電話の声から伝わってきました。 

実は彼女も以前は、Mさんの会社に講師として所属していたことがわかりました。しかし、考え方の食い違いから、会社を飛び出したとのこと。(Mさんには申し訳ないのですが)そのことがきっかけで、すっかり意気投合してしまったのです。

「ぜひ、お会いしましょう。今度、講師ミーティングを開くことにしてるのよ。そのときに、けいこさんも、いらっしゃいませんか?子どもさんも、どうぞ連れてきて。気兼ねすることはないわよ。自宅が事務所なんだから・・・。楽しみに待っています」

積極的に、ぐいぐいと引っ張られて、いつの間にか彼女に乗せられてしまって、思わず「はい」と答えてしまった私。
でも、強引な感じを受けなかったのは、彼女から、包み込むような優しさを感じたからだと思います。

9月23日。わたしの真っ白なスケジュール帳に、はじめて「J社 ミーティング参加」という予定を記入しました。
広島駅の新幹線口で、Sさんと待ち合わせ。
 
2人の子どもを連れて、改札口を出たとき、満面の笑みを浮かべて、「けいこさ~~ん!」と手を振りながら走ってくるSさんの姿を見つけました。

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