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1977年5月14日のライブレポート

SET LIST

LOVE TRAIN
愛のかけひき
あの頃の僕は
悲しみ深すぎて
いつかもうすぐ
行かないで
路地裏の少年
LAST DANCE
(EN)
ふたりの夏
Highschool Rock'n Roll

「口笛吹いても脱がんけぇネ(笑)」

なかなかチューニングが合わないので、ライブが始まらないことに、客席から口笛が聴こえたとき、そんな冗談を言いながら手を止める。
ライブは、回を重ねるたびに、観客も増えてアットホームな雰囲気になってきました。
第3回のライブが、前回の2つと大きく違うのは、その半月前に3枚目のEP「ラブトレイン」が発売され、このライブの1週間後には、セカンドアルバム(タイトル同名)も発売の予定になっていて、新曲の披露という感じだったことです。

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曲数も、かなり増えて、MCよりもいっぱい歌を歌ってくれたなぁ~。と嬉しかったのですが、披露された曲を聴いて「え゛っ??」
だって、今まで、どちらかというと、省吾自身の生き方や経験と重なるような内容の歌だったのに、オープニングがいきなりポップス調の「ラブトレイン」だったのです。

「5月のちょうどこの頃っていうとさぁ~、ほとんど学生だと思うけど・・・え~・・・僕はもう、今年で学校を中退しましたが・・・。ちょうどほら、連休が明けてね、かったるい頃なんだよね。で・・だいたい、クラスが変わってさぁ~~、かわってさぁ~だって(笑)、やだなぁ~東京へ行くと(笑)・・・。いやじゃのぉ~,東京へ行くと・・・(爆)・・・かわってのぉ~(大爆笑)、かわいい女の子が、クラスにおらんか?そういう期待が4月頃はわっとあるんだけど、やっぱり、5月の連休過ぎると、自分の学校が、まただんだんイヤになって・・・。そーゆー風になって僕は学校を辞めましたが、みんなは辞めないようにね」

学校というのは、1972年に入学した神奈川大学のことです。大学に入学したものの、バイトとバンドに明け暮れて、吉田拓郎のバックバンドを経て、「愛奴」を結成し、そして脱退と、ほとんど大学には行ってなかったようでした。

その大学と決別して、本格的にアーティストとして歩いていこう。そして、新曲の発表、プロモーションのためのライブ。

あの時、ハイテンションでしゃべり、一生懸命歌っていたのは、そんな意気込みの表れだったのかな?とも思うのです。
「LOVE TRAIN」「悲しみ深すぎて」「行かないで」_POP路線のこの曲を、バンド演奏ではなく、アコースティックギターとハーモニカで歌い上げるなんて!そういう意味で、このライブを収録したテープはかなり貴重品かも?音の幅は薄いとはいえ、町支さんのギターテクニックとコーラスは、素人の私が聴いても、すごい!って思うほど絶品でした。

省吾が、このライブですごく上機嫌だったのは、アンコール曲からも伺えます。彼の持ち歌ではなく、「愛奴」時代に、町支さんが歌っていた「二人の夏」を、やけくそになって歌ってみたり、終わりを名残惜しんで、まだ拍手を続ける観客のために、時間を超過しているのに、「Highschool Rock'n Roll」を歌ってみたり・・・・。そして、会場いっぱいに響く拍手に送られて、NHKのFM公開番組に向ったのでした。

ライブならではの歌詞

この頃のライブを見に行ってて気がついたことは、彼は、そのときのコンディションによって、歌詞の内容を、違うバーションに変えてみたり、ロングバージョンにしてみたりしてたなぁ_ということでした。
よく変わったのが、右の「Highschool Rock'n Roll」。ファーストアルバムに収録されているこの曲の1,2番の歌詞は、右の歌詞とはちょっと違います。
そして「路地裏の少年」も、時間的な余裕があって、雰囲気のいいときは「J・BOY」に収録されている8分のロングバージョンを歌ってくれていました。

High school Rock'n Roll

おいらが生まれたとこは 年中カビ臭くて
朝から晩まで働きどおしのオヤジの
たったひとつの望みは
ひとり息子の出世だけ
お母ぁ これ以上 おいら我慢できねぇ


ナナハンまたいで知らない街から街へ
そんな気ままな暮らしを 夢に見たけど
せいぜい 高速飛ばして
マッポに追いまわされて
お母ぁ これ以上 おいら我慢できねぇ


クラスの奴らは誰もが まだ鼻タレばかりで
毎日ダンスか女か くだらねぇケンカ
学校のやることは 決まった
一つ覚えの退学
お母ぁ これ以上 おいら我慢できねぇ

BACK STAGE REPORT  「ツーショット!!」
マンスリーコンサートが終った後は、NHKのFMに生出演_というのが、この回あたりからお決まりのコースになっていきました。
当然、その情報をキャッチしたら、追っかけ隊のわたしは、NHKまでついていくわけですが、この回のとき、幸運にもスタジオ裏でスタンバイしている省吾に会うことができました。
サインの次は恐々「写真をとらせてもらってもいいですか?」と尋ねたところ、快く応じてくださった上に、側にいたスタッフの方にカメラを渡して、ツーショットで撮らせてもらえたのでした。
わたしは、完全に硬直状態!この頃は、サングラスも、結構薄くて、どんな目をされているのか、よく見えたのですよ。

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