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3. やがて寮で大合唱

わたしが中学・高校の6年間を過ごした学校は、中高一貫教育のだった。
実家が遠かったわたしは、高校を卒業するまで6年間、ずっと寮生活を送った。門限は18時。バスケットボール部に入っていた頃は、練習が終わるのが18時。休日も練習があったため、学校と寮を往復する毎日だった。

でも、部活を辞めたた途端、わたしの元に、3時間あまりの自由な時間が転がり込んできた。そこへもってきて、浜田省吾とギター。
学校から戻ると、部屋にこもってひたすらギターと歌の練習に明け暮れた。

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先輩、後輩、同級生の約70名が同居するこの寮では、それぞれがお気に入りのアーティストに夢中だった。寮にはステレオもピアノもあったから、レコードを聴く者、ピアノを演奏する者、自分のデッキでカセットテープを聴く者と様々。でも、ギターを弾ける友人は、ほとんどいなかった。
(あの頃の音楽のジャンルに結構詳しいのは、この寮生活でいろんな曲に触れられたからなんだよね。)

帰宅して夕食までの時間を、大学受験を控えている上級生に気を遣いながら、テープからコードを拾い出して、ギターを弾きながら歌っていた。
しばらくすると、私のもとに「素敵な曲だね!」と友人が集まってきて、気がつくと、みんなで大合唱するようになった。


定番はモチロン「路地裏の少年」
寮母さんに「うるさい!」ってよく叱られたけど、みんなで声を張り上げて「ウォウ、ウォウ、イェイ、イェイ、」と歌った。快感だったなぁ~。気持ちはすっかり、女版「浜田省吾」!

そろそろ進路を決めなきゃいけない高校2年の初夏の頃。でも、わたしの生活は、まだまだ省吾一色だった。
そんな頃、一緒に寮生活を送っている友人から、「バンドやってみない?」という誘いが・・・。

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