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ミスを指摘する 1

少し前から、配送センターで仕事をしていることを書いています。
パートスタッフとして仕事をすることで、数多くのことに気づき、本業(研修や現場改善指導など)にも役だっています。

その記事をいつも読んでくださっているジョニーさんから、こんなご質問をいただきました。

実は私は、間違いやミスがあっても指摘や注意をするのは苦手でしたが、今は、それが少しずつできるようになりました。

ジョニーさんに良い機会をいただいたので、「ミスを指摘する」について、私の考えや実践していることをまとめてみたいと思います。

1.ミスの指摘は難しい

研修や改善指導の際に、管理者の方から「部下に注意ができない」というご相談を受けます。

理由はいくつかあります。
①言って相手を傷つけてしまったり、モチベーションが下がったりしたら困る。
②過去に注意したことがあるが、改善してもらえなかった。
③自分もそれがきちんとできているわけではないので言いにくい。
④どう言えばよいかわからない。

しかし、指摘せずに放置しておくとどうなるでしょうか?
①その仕事をカバーしなければいけないので自分の仕事が増える。
②ミスが多いと、その人に仕事を任せることができない。(⇒その人が成長できない)
③自分自身のイライラ、ストレスが溜まる。
④スキルアップ出来ないので、その人のモチベーションが下がる。

このように考えると、指摘せずにそのままにするのはお互いのためにならないことがわかります。

2.「日頃の心がけ」「伝え方」「伝えるタイミング」

先ほど、注意や指摘が出来ない理由をあげましたが、共通しているのは、「適切な伝え方がわからない」ということです。だったら、その「適切な伝え方」を知れば、注意や指摘はできるようになります!!
適切な伝え方として、押さえておきたいのは、「日頃の心がけ(環境整備)」「伝え方」「伝えるタイミング」です。

(1)日頃の心掛け=指摘し合える関係づくり

自分とあまり関わりのない人、自分のことをきちんと理解してもらっていない人に注意されたら、誰でも動揺します。最近は少なくなりましたが、以前は、自分が指摘できないからと言って、外部講師に「厳しく指導してくれ」と注文を付ける管理職や事務局の方がけっこういらっしゃいました。
また、「褒めてから叱ったほうがいい」という考えもありますが、褒めるにしても、叱るにしても関係性がきちんとできてからでないと、内容は受け入れてもらえません。

大切なことは、まずお互いの関係を良好な状態にして共有すべきことです。
お互いの関係を良好にするために欠かせないことは以下の3点です。

①あいさつ
②ねぎらいの声かけ
③相手の名前を呼びかけながら会話をする

特に、あいさつは、部下や後輩からではなく、上司や先輩から積極的に行うべきだと思っています。上司や先輩がよいあいさつを実践していると、それがお手本になり、部下や後輩のあいさつも指摘しなくても自然に良くなります。
16年、店舗改善指導に携わっている銀行では、ロビーに一歩足を踏み入れた瞬間、支店の雰囲気がわかります。活気ある支店は、責任者が率先して部下や後輩にあいさつや声掛けを行っています。
また、上司や先輩からのあいさつや声かけは、一人一人のコンディションを把握する瞬間でもあります。人は不意に声をかけられると、その時のコンディションがモロに表れます。ストレスチェックやメンタルヘルスの研修をするより、一人一人に小まめに声をかけてコンディションを確認した方が、コストがかからないし正確です。

「あいさつ」や「声かけ」、「名前を呼びながら会話をする」以外に日頃から整備・把握しておきたいことがあります。それは、仕事の様子を観察することです。観察といっても、じーっと観ているわけではありません。
④作業品質のバラツキが生じていないか?
⑤一人一人の得意・不得意は何か?

きちんとできているかどうかは、標準化された状態に基づいて判断します。
そのためには、自分自身が適切な手順、ポイントを理解しておく必要があります。もし、自分の領域外や未経験の内容なら、部下や後輩の仕事ぶりを観察したり、部下や後輩に聞きながら、手順やポイントを理解しておきましょう。
簡単なものでいいので、業務フローや手順書を整備しておくことです。注意や指摘をする際にそれを活用すれば、注意や指摘をされた部下や後輩も、再発防止や改善に目が向きます。
具体的で納得感のある注意、指摘のためには、④と⑤の把握は大事です。す。

そして、人は皆、得意なこと、不得意なことがあります。不得意なことを針で何度も刺すように指摘しても辛いばかりです。不得意な内容でミスが発生した時は、フォローしながら代案や改善案が示せるようにしておくことも必要です。

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