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お164話・崩れるまでおんぶしてくれたスポーツ女子〜女の子におんぶしてもらいたい男子

「どういういきさつで、クミ、男の人を肩車してくることに?」

「クミの彼氏?」と、女の子たちに質問攻めされるも、クミは、もうホントに体力限界だったようで、地面に座り込んでしまったので、ボクは、クミを抱き寄せるように隣に座り込んで、クミを支えた。

 ボクは、クミにおんぶで全力疾走してもらった件から、こうなってしまった経緯を説明したが、ハンドボール女子たちは「えーーっ、そんな唐突の出会いで、おんぶしたり肩車したりするかしら」と疑惑の目を・・。

 とりあえず、クミはもうバテバテなのは事実で、この後のハンドボールの練習参加はムリだということ、みんなも本人も認めざるおえなかったので、ボクとクミは、2人でコート際のベンチに座って見学することにした。

「ボクみたいなダメ男、彼氏疑惑持たれちゃって、ゴメンなさい」

「そんなことはいいのよ。それより、おんぶと肩車、キツかったぁ。肩も首も背骨のところも、身体あっちこっち痛い」

「身体壊しちゃうほど、ボク乗ってたんだ、どうしよう・・つぐなう」

「壊したんじゃないとおもう、筋肉痛とかよ」

「関節は痛めてない?」

「関節は大丈夫、ヒザも痛くはなってないから、大丈夫よ」

「首は? 頸椎は痛くなってない? 大丈夫?」

「うん、そこまで心配してくれるのって、意外」

「だって、ボクを気持ちよくしてくれるために、こんな大変なことしてくれた女の子だもん。感謝と申し訳なさで。。大切にしなきゃとおもう女の子だよ、クミは・・」

 抱き寄せると、クミの汗びしょ濡れ具合は、半端じゃないくらいグッショリで

「こんな、びしょ濡れのままこんなところに座ってたら、風邪ひくよ」と言いながら、ボクはクミと向き合う体勢でクミの太ももに跨るように乗っかって座り、クミをぎゅーっと抱きしめることで、ボク自身もクミの汗でびしょ濡れになって、

クミがボクのために流してくれた汗を共有した。

「ボクも、クミの汗、共有するよ」

「なんでそんなこと?」

「クミのこと大好きだから」

「そんな言葉は信じないよ。でも、頚椎が痛むだとか、いろんな女の子に肩車させてきた経験からのこと?」

「うん、肩車はできない女の子も多かったので、それほどの人数には乗ってきてないけどおんぶは、けっこうな人数に乗ってきてる」

「女の子によって、かなり違うもの?」

「体格でも性格でも、かなり違っていて、だから、いろんな女の子に乗ってみたくなっちゃってて、女の子には申し訳ないとはわかってるんだけど」

「私はどんなタイプだったんだろ?」

 クミは全てがかわいいおんぶで全力疾走してくれたことなんか、身体がかわいいだけでなく、性格もすごくかわいいのを、乗せてもらっててジンジンと感じちゃってて、もう、あの走り一発で、惚れちゃった。こんなにかわいいのに、男をおんぶして走るほど、頼りにもなる女の子、ボクの一生をこんな女の子にあげちゃいたい。

「ボクのすべてをあげる。お持ち帰りしていいよ」

「こんな重いの、いらないよー。っていうか、なんで、ちゃっかりと私の上に乗ってんのよー。重いからもうどいてください」

「クミの抱っこ、乗り心地良くて気持ちいいから、ずーっとこうしていたい」

「気持ちいいからって、まったく女の子をなんだと思ってんの。ソファーじゃないんだからね。重いし暑っ苦しいし・・」

「もう一回おんぶしてくれるって約束してくれるんなら、どいてあげる」

「どいてあげるっていう恩着せがましい言い方が気に食わない」

 ボクは「ごめん」と謝って、彼女の上からどいて、ベンチに座ってるクミの前の地面に座り込んで彼女の足にすがりついて「お願い。。。おんぶしてぇぇぇ」と泣きつくと、「なんだか、そこまでされると、ちょっとならしてあげてもいいかって思っちゃうところが、自分でも不思議」

 ベンチから立ち上がったクミにボクは、すがりつくようにボクも立ち上がり、彼女のおんぶに飛び乗った。すると、さすがのスポーツ女子クミも、この疲労困憊状態での男70キロおんぶには耐えられなかったようで、ヒザが崩れるようにしゃがみこんでしまった。でも、こんな限界になるまで「おんぶしてあげてもいいかも」って感じて稀ちゃう女の子の優しさに胸キュン。

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