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彰人(ハンニン)を証明した日

昨日(4/26)はDDTひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)大会でした。
私はセミファイナルの出番だったので、ほとんどの試合を見られていません。
私的見どころは前回の記事で書いてますので、そちらを見た上で見どころ通りになっているか確認してください。
私がしっかり見たのはメインのみ。
しかも途中から。
なので、そこに焦点を絞って書きます。
ちなみに、私は試合に負けて6人タッグのベルトを失いました。
これによって無冠になってしまったので、いささかよろしくない状況に追い込まれてしまいました。
それについてはまた改めて記事にしたいと思います。

で、今回はKO-D無差別級のタイトルマッチについて。
私が見たメインイベントは、上野勇希vs彰人のKO-D無差別級のタイトルマッチです。
前回の記事の有料部分で試合結果予想を書いたのですが、予想自体は当たりました。
上野防衛かなーと。
でも、試合内容は全く私が予想してなかった展開になりました。
試合の入りは正直生では見てないので何とも言えません。
で、私が見始めた頃から足攻めが始まったのですが。
まさか、彰人が手札勝負に出るとは思いませんでした。

あ、あくまで私から見た考察なので、必ずしも本人がそういうつもりだったかはわかりません。
公式の見解でもありません。
私の目からはそう見えた、それだけの話です。
そこだけはご注意を。
合ってるかもしれないし、合ってないかもしれない。

この試合、彰人さんが王者上野の足を攻め続ける展開でした。
で、上野さんがそれを凌いで防衛したという流れだったのですが。
非常に彰人さんらしい駆け引きを仕掛けてきたな、というのが私の感想です。
試合の大部分で主導権を握ったのは彰人さんです。
たぶんだけど、彰人さんは多少強引にでもこの展開に持って行こうとしてたと思います。これは彰人さん的にいくつか計算があって、これまでの防衛戦の傾向からすると、
王者は受けて立とうとする傾向にあります。
それは、挑戦者の顔ぶれからも説明できます。
納谷さんの時はちょっとニュアンスが違うのですが、私、HARASHIMAさんというラインナップを見た時に上野さん的に
「今の自分はチャンピオンである」
という自信をぶつけてきた感があるんですよね。
それは裏返すと
「自分がチャンピオンを名乗ってもいいかどうか」の戦いでもあるわけです。
上野さん的にはね。

彰人さんはそこも計算してたと、今となっては思う。
たぶん、受けて立つ立ち位置を取るだろう。
ならば全部受けきれるか?そういう勝負を仕掛けた。

つまり。

彰人さんの足殺しをベースとした手札を出し続ける勝負。
気づいた人もいるかもしれませんが、あれだけ長い時間足を攻めている中で、全く同じ足殺しはありませんでした。
要するには、上野さんの足が耐え切れないのが先か、彰人さんの弾切れが先か。
そういう耐久レースだったんです。
上野さんとしては受けきった後に反撃のイメージがあったのかもしれませんが、次から次へと足殺しの弾を撃ってくる。
ついには彰人さんの弾が切れてないにも関わらず、強引に上野さんは打開してました。

この時点では、精神的には彰人さんがかなり有利です。
なぜなら、彰人さんはまだ弾は残っているから。
撃ち尽くしてないと心は折れないわけで、心が折れてない人を沈めるのは至難の業です。
一方上野さん的には受けきって反撃してたらヤバいという、プランを変更するかどうかの迷いが生じたんですね。

結果、彰人さんはさらに足殺しを続けます。
彰人さんの弾はなかなか切れません。
上野さんは、技は残っているけど足と心がついてくるかわからない状態でした。

試合の流れがまるで違うものになったのが25分付近。
ここが分水嶺でした。

25分も耐えきった上野が強かったんでしょう。
彰人が得意技の足横須賀を三連発で出しました。
ここが勝負の分かれ目だったと私は考えています。
今まで、同じ技を出してこなかった彰人が、同じ技を重ねてきた。

「尽きた」

上野さん的にはそう考えたのかもしれません。
足のダメージはともかく、心は逆に回復したような気がします。
ここを押し切ればいける。そう思える展開でした。

厳密に言えば、まだ完全に尽きては無かったんだとは思います。
ただ、撃ちすぎて次の手を装填するまでに考えてしまったようにも思えます。
ともかく、隙と言えば隙でした。
その後、彰人さんは丸め込み、そしてリップロックからの男色ドライバーを放っていきます。

この時の私の感情は少々長くなるので有料部分で書きますね。

ですが、結果的にこの一連の流れが上野さんの勝利につながった気がします。
というのも。
あの瞬間、彰人さんは積み上げてきた足攻めを捨ててしまったんですよ。
彰人さんが奥の手?を出したことによって、逆説的に奥の手を出さなきゃいけないところまで追い込まれているという事を露呈してしまった。
心の耐久戦においては、底は見せちゃいけない。
もちろん、結果論ですけどね。

あれで決める、もしくは次の一手で仕留めるという事も考えられましたから。
ですが、耐えた上でWRを残しておいた。
そしてそれを上野さんが決めた。
相手に底をつかせておいて最後取っておいたカードで仕留めた。
そういう試合でした。
心的な逆転勝利だったと私は見ています。

それにしても。
非常に彰人さんらしい試合だったと私は思っています。
主導権を握り続けるのって、技術面で難しいんですよ。
ちょっとサッカーに似ています。
ずっとボールを保持してても、最後のところを崩せなかったりします。
相手にボール持たせた方が、案外カウンターで点取れたりするんです。
プロレスも、ずっと攻めるのは難しいです。
ずっと攻めててもお客さんに飽きられてしまうと、商品価値は落ちてしまいます。
あえて相手の技を受けることでリズムを作り出すケースが多いです。
彰人さんはこの大きな舞台であえて難しいことに挑んだ。
そして、上野さんも勝機の見定め方がちょっと尋常ではなかった。
上野さんがよく耐えたとも言えますが、実はポイントはそこじゃないと私は思っていて。耐えるだけでなく、反撃する際に今の自分の状態でできること出来ないことを見定める冷静さは必要です。
展開で結果的にそうなったのかどうかはわからないけど、WRを残していたのも恐ろしく感じます。
普通だったら、自分の信用している必殺技はもう少し早めに出すと思います。
あそこまで引っ張れたのがすごい。
私的に、とても見ごたえのある心理戦でした。

…以上が、昨日のメインイベントを私が見て感じた印象です。

そして。
有料部分ではさらけ出します。
なぜ彰人さんが追い込まれた時に「あの技」を選んだのか。
私が思ったことです。
ちなみに、今回のタイトルは有料部分を読むことで意味がわかるようになっています。

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