私の友達、ドケチ魔人の話。
私の数少ない友人のひとりに、ドケチ魔人がいる。
節約が趣味であり、どれだけコスパ良く暮らせるかを常に考えている彼は、正直見てるだけで面白い。
別に、家賃1万円の家に住んでるとか、服が全部ぼろぼろとか言う訳では全くない。
パッと見ただけでは、いたって普通の男子大学生なんだけれども。
昨日、そんな彼とケチケチな一日を過ごしたので、お時間があれば是非聞いて欲しい。
まず集合したのは、彼がよく行くというファストフードチェーン店、とんかつの松のや。
ケチなのに外食? と思われた方もいるだろう。
彼は、自炊を一切しない事で、逆に最大限のコスパとタイパを目指すという境地にいる。
下手に自炊するより、毎日昼か夜ご飯を外食でガッツリ食べる。
そうしてお手頃価格で腹を満たし、基本あとはやり過ごすという生き方らしい。
スーパーも行かないし、洗い物もしない。
聞いてみると、基本外食は控えて弁当と鍋で暮らしている私と食費がほぼ変わらない。何だそれ。
ちなみに、春に引越しの予定が控えている彼は、冷蔵庫を手放すどころかガスの契約を辞めようか真剣に検討していた。
やりすぎである。
さて、松のやに戻る。
店に入り、早速彼が取り出したのは、松屋フーズのクーポンアプリ。
なんと、とんかつ定食が通常590円のところ、そのクーポンを使えばいつでも500円になるらしい。
いつでも、何回でもである。神か。
それは普通に、松屋フーズさんが太っ腹すぎる。
今更だが松のやについて説明すると、牛丼の松屋で有名な松屋フーズが全国に展開する、とんかつメインのチェーン定食屋である。
最大の魅力はなんと言っても、ご飯と味噌汁がおかわり自由なところ。
ご飯と味噌汁なんて組みあわせたら無限に行けちゃうんだから、これはもう大盤振る舞いだ。
しかも、それが590円、クーポン使えば500円で食べれるなんて。
時代に抗う企業努力に、賞賛を送らざるを得ない。
更に、すっかり常連の彼は、他にも色んなクーポンを取り出した。
通っているうちに、段々溜まるらしい。
その中から、私もタルタルソース無料チケットを1枚おすそ分けしてもらった。
彼は無料でコロッケを1つ付けていた。羨ましい。
そうして私たちは、ご飯を大盛り1杯にオカワリ1杯、味噌汁もオカワリして2杯をお腹に収めた。
はち切れんばかりの満腹になった我々は、次の目的地に向かった。
元々、大きな試験を控えている彼が勉強場所を探しており、私は私でnote毎日更新の記事を書き溜めるために作業場所を探していた。
それなら一緒にどこかで作業しよう、というのがこの日のいきさつであった。
まあ、普通の大学生は図書館かカフェにでも行くのだろうけど。
残念ながら札幌駅の周辺には自由に席を使える図書館は無く、そして彼がカフェにお金を落とすはずもなかった。
代わりに連れていってくれたのは、赤レンガテラスのフリースペースだった。
観光客にも人気のエリアであるここ赤レンガテラスは、基本的にどこを見てもオシャレで居心地がいい。
更に、Free-WiFiに電源、ちょうどよく暖かい室温と、豊かな眺望。
長居対策か椅子が少なく、電源を使うためにはスタンディングで作業する必要があることを除けば、かなり良い作業スポットだ。
ちなみに彼は、他にも5ヶ所くらい無料で勉強・作業するスポットを把握している。
オモロ。
結局我々は、気分転換のために別のフリースペースに移動したりしながら、6時間くらい作業・勉強をしていた。
もちろん自販機でジュースを買うわけもないので、当たり前のように水筒で水分を取りながら。
ようやくお腹がすき始めた頃には、すっかり20時になっていた。
さすがに飯に行くかという話になり、彼がおすすめのラーメン屋に連れていってくれるとのことだった。
降りしきる雪の中、小走りで向かったそのラーメン屋は、なんと鶏白湯ラーメンが1杯500円。
ここにも時代の波に抗う強者がいた。
彼はそこでもご飯おかわり自由のメニューを選び、バクバク麺と米を食べていた。
食いすぎやん。
正直、とても500円で食べれる内容ではなかった。
経営どうなってるんですか。
そうして彼と別れを告げ、帰りの地下鉄で今日を振り返ってみる。
半日以上札幌の街中で過ごし、結局使ったお金は1000円だけ。しかもお腹はパンパン。
札幌でケチ生活を続けてきた彼の本領を、少し垣間見ることが出来る体験だった。
以上、ケチ魔人とすごした一日でした。
他にも彼のドケチエピソードは両手の指で数え切れないほどあるので、またいつかご紹介したいと思う。
この記事が参加している募集
サポートなんて頂けた日には舞い上がってドーナツ買っちゃいます。