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自分の曲をはじめて他の人にカバーしてもらって

しがないアマチュアの音楽活動者です。つい最近、自分の曲を「とてもいい曲だから歌わせていただけますか」とお声をかけていただきました。

それが、ものすごくうれしいんですよ。あたりまえですけど。それが、たぶん「特別うれしい」気持ちなんですよね。いくら「はじめて声をかけていただいた」とはいえ、どうして今回こんなにうれしいのか。色々考えてみたことを書いてみます。

要因1:はじめてのことだからうれしい

あたりまえのことですが、はじめて他の方に「歌いたい」と言っていただいたのでうれしいわけです。

たぶん、そのオファーの文章に「この曲を本当に好きになったので、ぜひ歌いたい」という気持ちが、ぎゅうぎゅうに詰まっていたんですよね。こんな反応をいただいたのは、たぶんはじめての経験で、それがグッときたのだと思います。

要因2:心のこもった歌だからうれしい

申し遅れました。歌ってくださっているのは、作曲、歌、アイドルさんのプロデュースなど、マルチにご活躍のアーティストのReNさんです。

他の方とのコラボもされていますが、ひとつひとつのコラボ企画に、本当に丁寧に、熱心に、取り組まれる方です。根が真面目で、繊細でやさしい方なのだろうなぁと思っています。なので、どの曲にも心を込めて真剣に向き合っていらっしゃいます。

ですが、自惚れ半分で言いますが、たぶん「もう少し特別な気持ち」を込めて、歌ってくださっている気がします。それが伝わる気がするので、お聴きしたときに、なんかじわーっと胸にきたんですよね。

プロの人たちの歌も含めて、世の中には数えきれない歌があって、そのなかで選んでもらえた。しかも、こんなに歌を大事にしてくれる人に。うれしいですね。

要因3:歌い手のまなざしがあたたかい

この歌は二十歳ごろに作ったものです。本当に突然に、メロディと歌詞が同時に降りてきた曲です。歌詞はいくらか穴が空いていましたが、かなりの部分が最初からできていました。

夢に破れて、愛する者も失った男性が、一握りのコインしか手元にないから、どこにも行けない。わたしのオリジナル(自分で歌ったもの)は、そういう「景色」を歌っています。わたし自身は自分の曲の歌詞を、基本的には「傍観者」の歌詞だと思っています。

間違いでなければ、ReNさんの歌は、傍観者じゃないんですよね。

社会の中で負けてゆく人々に対して、たぶん泣きながら、精一杯ハグするような気持ちで歌っている。そういう気持ちなんだけど、わーっと感情にまかせて歌い上げるのではなく、静かに、心を寄せている。間違っているかもですが、そう感じました。

歌い手の気持ちを全部乗せるんじゃなくて、オリジナルの作者や歌詞の風景に、精一杯の敬意を込めて、自分をちゃんと抑える。なんか、そういう気持ちを勝手に感じて、しみじみうれしくなりました。

歌は誰かに愛されて独り立ちする

今回のことは、たぶん「一生懸命育てた我が子が、すごくステキな人に愛されて、その人と新しい人生を歩んでいく」みたいなことだと思うんですね。

音楽って、誰も聞く人がいなくなると、世の中から存在しなくなるんですよ。絵画や彫刻という「物質」なら、物理的に壊れるとか捨てられるとかしなければ、とりあえず「存在」はできますよね。

そうではない、すごく儚いもので、愛してくれる「誰か」に生命を依存している。だからこそ、どんな人と出会い、どんなふうに愛してもらえるかが、その曲の幸せを左右すると思っています。

今回、本当に偶然のこととはいえ、人にも音楽にも、大きな愛情を注いでくださる方に巡り合い、最大限愛してもらって、本当にこの曲は幸せなんじゃないかと。もちろん、作者としても、最高の出会いに感謝しています。

できるならば、この世に生まれたすべての曲に、幸せな出会いがありますように。


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