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雨季の週末

飲食店でのアルコール提供などいくつかのサービス業を除いて、ほぼロックダウンが解除され、週末の歩行者天国やファーマーズマーケットなども再開されたチェンマイですが、去年のように感染者ゼロの日が続いて、これならば!と、安心できるという風には今年はなっていません。
もともと人の往来が多い地域なので、どこかで感染してチェンマイへ戻り、そこから小さなクラスターが発生するという状況が繰り返されていて、再開されて間もないのに再び休校を余儀なくされる学校などもありますし、今までで一番辛いという声も耳にします。
それでもおそらく、これはまだ良い方で、バンコクでは毎日のようにクラスターが見つかり、医師が7日間のロックダウンを政府に提案するほどですし、チェンマイより北の国境に近い地域でも、毎日20名位の感染者が見つかり、村など小さなエリアに限ってロックダウンをし、その中で治療も行なったりという状況でもあり、本やローカルニュースで見つけたグーグルマップの上に行きたい遺跡や古寺、窯跡などのピンを落とし、行き方に思いを巡らせ、頭の中で旅をしてみても、改めて調べてみるとロックダウン中の地域の近くであったりして、やはり今はその時ではないようです。

けれど、ままならないことに苛立つのではなく、子供の頃のように、興味を引いた場所やものについて、あれこれ調べ憧れを募らせ、今は静かに内側にそれらを蓄積させるという過ごし方も悪くない気がしています。

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そんな、嵐の中においた小さなコップかテラリウムのような真空地帯に思える我が家の庭には、コガネメキシコインコが4羽から5羽に増えて遊びに来ますし、その度になぜか距離が縮まるようでもあり、そんな頭上には雨季のモンスーンの水蒸気で満たされ、けぶるような空にはまるで空の目のような、22°ハロと外接ハロがかかっています。
そんな朝は、遠いものを親しく思う、あるいは憧れる気持ちになんだかふさわしい気がします。

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