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海外ドラマ:撮影ミスと翻訳ミスにちょっとウキウキ

幼少期から海外ドラマが大好きで、特に1990年代、2000年代、WOWOW や スカパー でヘビーに見ていました。

昔の海外ドラマは、「音響のマイクが映りこんでしまう」「つながっているシーンなのに小道具の配置が違う」というようなミスが、本当にときどきですが起こります。

そんなミスを見つけると、気づいているのは自分だけなんじゃないか、とちょっと嬉しくなっちゃいます。言ってもそんなに大きな間違いではないので、内容に影響はなく、クスッと笑える感じです。

日本語版でも、本当にときどき誤訳や、苦肉の翻訳などがあります。

1:『フルハウス』 - 工夫を凝らした翻訳
2:『ビバリーヒルズ高校白書』 - 人物間違い?
3:『マルコム・イン・ザ・ミドル』 - 雑誌での誤訳?

『フルハウス』苦肉の翻訳

ファミリーコメディの『フルハウス』。NHKで放送されていた関係で、商品名などの固有名詞はボカして翻訳されていました。

例えば、シーズン1の第19話「ジェシー・カムバック!(前編)」です。

悪天候で「アニメランド」に行けない、というエピソードがあります。

「アニメランド」ってなんのことだろう……。

原語で聞いてみたら「Diseny Land」と言っていました。

ほーーーー。NHKではこうぼかすのか……。

結局、シーズン6の第23話と第24話で、ディズニーランドに行く話があり、さすがにそのときは「ディズニーランド」と言っていました。

この中で、長女の DJ が、恋人のスティーブをアラジンと見間違えるシーンがあります。スティーブを演じるスコット・ウェインガーは実際に映画『アラジン』でアラジン役の声優をつとめていました。

ちなみに『フルハウス』はスタッフがチラッと入っていたり、モノが動いていたり、部屋の移動で違う方向から出てきたり、というシーンがちょいちょいあります。

『ビバリーヒルズ高校白書』

この前たまたま見ていて気づいたのが、第1シーズン第9話「17年目の浮気」です。

双子のブランドンとブレンダの両親であるシンディとジムは結婚17周年。LA に越してきてからジムは忙しく、シンディとすれ違う日々。そんなとき、シンディが大学時代の友人グレンと再会する。グレンはシンディとデートをしたことのある仲だった。独身のグレンと出会い、揺らいでいくシンディ……。

グレンとキスをしてしまったシンディ。グレンからは何度も電話がかかってくるが無視している。そしてグレンがシンディ宛てにメッセージを残す。

誤訳?

この電話メッセージの日本語版のセリフがこちら。

「ハーイ、ブレンダ。これが4度目の電話だが…。ハハッ。またロス市内見物に出かけないか?電話をくれ…。」

字幕版ではこうなっていました。

「Hi, it's Glen. I called 4 times. Are you out making landscaping history again? Call me.」(やあ、グレンだ。4回も電話したよ。また外で土いじりしてるの?電話してくれ。)

英語版では「シンディ」と言うセリフはありません。吹替版では、わかりやすくするために人物の名前が追加されています。ただし「シンディ」と言うべきセリフが娘である「ブレンダ」の名前になっていました。

ウキウキ!

家族にバレないようブレンダと言っているのか。それとも誤訳なのか。

スマホがない時代なので、グレンは家の留守番電話にメッセージを残します。シンディ以外が聞いてしまうかもしれない状況をつくり出してしまう点も相当ヤバい気がしますが、その点はスルーします。(笑)

関連して、昨日シンディの声を担当していた一城みゆ希さんが亡くなられてしまいました。『ザ・シンプソンズ』のマージ役も演じていて、どちらもよく見ていました。良いお母さん役。残念です。

映画雑誌『スクリーン』の誤植

最後は、今でもすごく記憶に残っている誤植です。

25年ほど前、日本に入ってくる海外ドラマの数は少なく、新作の海外ドラマ情報は映画情報誌に頼っていました。

中でも近代映画社の『スクリーン』、集英社の『ロードショー』が好きでした。『ロードショー』は2010年に廃刊してしまいました……。残念です。

一方、スタイルチェンジがありつつも『スクリーン』は現在も発行されています。

エミー賞の結果

『スクリーン』は毎年ドラマ界のアカデミー賞と呼ばれる「エミー賞」の結果を掲載していました。

ノミネート作品、受賞作品をそのまま羅列していたように思います。日本未放送の作品も多く、原題をそのまま載せている場合もあれば、題名を翻訳して載せていることもありました。

そんな中、ある誤訳が僕の中でかなりツボりました。

それが「マルコム・イン・ザ・ミドル」です。

「マルコム in the Middle」のあらすじ

マルコムは男だらけの5人兄弟の三男坊。あるときマルコムの IQ が165もあることが判明し、生活が変化する。

怒ると手がつけられない肝っ玉母ちゃん、気づいたら騒動の中心にいる天然な父、アホでイケメンな長男、度を越えたイタズラをする次男、不思議な行動で周りを驚かす四男、まだ赤ちゃんの五男。

ぶっとんだ家族と、ブラックユーモアあふれるコメディドラマです。とにかく破天荒な作品でした!

7シーズン、全151話制作された大ヒットドラマで、FOXチャンネルで放送されました。

天才子役といわれたフランキー・ムニッズ主演。おとぼけお父さん役には『ブレイキング・バッド』が大ヒットしたブライアン・クランストンが出演しています。

ミドルの意味は?

『マルコム in the Middle』のミドルとは中間という意味で、5人兄弟の3番目ということを表しています。

ふと『スクリーン』を見返していました。そしてエミー賞の受賞欄に目が行きました。

そこで目にしたのが……。

『中年のマルコム』

『中年のマルコム』???

もしかして『マルコム・イン・ザ・ミドル』のことじゃないか……。(笑)

「ミドル」は中年という意味もあり、誤解して生まれたのが『中年のマルコム』というタイトル。

当時、めちゃめちゃツボりました。

懐かしい思い出です。

人生は不公平

ふつうの生活をしたいマルコム。しかし IQ が高いため特別学級に入れられてしまいます。テーマソングの歌詞でも「Life is unfair.(人生は不公平)」と高らかに歌います。

懐かしく思い、検索していたら肝っ玉母ちゃんのクレイジーな映像がアップされていたので最後に紹介します。

パーキングで、隣の車のドアがママの車に当たります。悪びれもしない態度にブチギレます。

少し意訳します。

母:ちょっと、あなた。気づいてないかもしれないど、私の車にぶつかったわよ。せめて謝るぐらいしたら?
女:そんな怒らないでよ。どうせボロ車じゃない。
母:(ドアをぶつけて)あら、ごめんなさい。こんな風に謝りなさい!

ぶつかり合戦がはじまる。
車のプレートには「War is not the answer(争いは何の解決にもならない)」
真昼の決闘のようなパロディも入ります。

落ち込むお母さんにお父さんが身体のことを心配するでもなく一言。
「大事なことは警察が見ていなかったことだ」

日本語版でまた見たい作品です。(日本語版はシーズン5まで制作)。

このスタイルのコメディ・ドラマがすごく好きで、『マルコム・イン・ザ・ミドル』も大好きでした。

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