主として裏をとるダンスは、ときに表をとることも必要

インターナショナル・スタイルの社交ダンスのルンバとチャチャチャは、主として音楽の裏をとります。
ルンバなら2・3・4。チャチャチャなら2・3・4&1です。

インターナショナル・スタイルの社交ダンスは、これらの種目では裏をとることしか教えません。しかし、音楽はときに表をとったほうがうまく合うことがあるのと、そもそも表をとるスタイルもあります。

たとえばルンバは、スクウェアルンバやアメリカンスタイル社交ダンスのルンバといったスタイルでは、同じ音楽でもSQQ (1・3・4) ととります。2小節をつかって1小節目をS、2小節目をQQととることもあります。
これは主として裏をとるか表をとるかというスタイルの違いだけで、ステップとしては同じものを使えます。
ルンバのアクセントは4と1にあります。裏をとる場合はアクセントである1の次をとる、ということになり、慣れないうちは音をとるのがむずかしい種目になります。しかし、表をとるスタイルもあることを知り、どっちのスタイルをとっても正解だと考えれば、より親しみやすく踊りやすい種目となります。

チャチャチャは裏をとるスタイルのみではありますが、音楽によっては表をとるほうがうまく合う場合があります。
たとえば『おもちゃのチャチャチャ』。この曲は歌詞の「チャチャチャ」部分が3&4になっています。そのため、裏をとっていると歌詞と合わずにう〜ん、という感じになります。
ほかにも『Cha Cha Cuba』。これは歌詞の「Cha Cha Cuba」のところが1&23になっています。これも裏をとっていると歌詞には合いません。

Cha Cha Cuba - Matt Bianco

ダンスとしてのチャチャチャは、マンボから派生したもので、マンボはサルサの裏をとるバージョンです。サルサは4拍子の音楽で1・2・3 (4は動かない) というもので、マンボは(1は動かない) 2・3・4ととります。
つまり、系譜をたどればチャチャチャで表をとっても違和感はないということです。
リズムとしては4&1 (チャチャチャ) が音楽についているので、大半の状況では裏をとる方が合いやすいですが、ときに数拍を休んででも表をとったほうが音楽を表現できてたのしいことがあります。

競技主体のインターナショナルな社交ダンスの教室では、ルンバとチャチャチャを、裏をとるスタイルしか教えないところが大半です。
しかし、競技でない限り、裏をとるか表をとるかはダンサーの自由であり、表をとったほうがより楽しめる、より音楽にあったダンスができることがあります。
これは先生も生徒も知っておいたほうがよいことだと思います。

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