2ヶ月検診

2ヶ月を過ぎると予防接種が始まる。
私も近所の小児科を予約した。

夫と3人で行けばいいのに、
何を思ったか「2人で行ってみる」と宣言してしまったので、
私はベビーカーを押して、
子供と2人で冒険することになるのだった。

2人での外出に慣れれば行動圏が広がると安易に考えていたが、
赤ちゃんを連れた外出は、
持ち物や出かける前の準備など考えることが山ほどあった。
それに加えて初めての注射だし何が起こるかわからない。
前日くらいになって急に不安になって、
2人で行くと言ったことを後悔した。

このころ子供は夜の授乳間隔が少し延びて、
普段は4時間くらい続けて眠るようになっていたが、
なぜかこの前日は、不安が伝わったのかなかなか寝付かない。
夜中も授乳のたびに眠りに苦労して、
気づけばほとんど寝ないまま当日を迎えた。

当日、準備をして家を出た。
マンションにエレベーターがないので
私が子供を運ぶ間、夫にベビーカーを渡して
階段下まで運んでもらった。
(帰りも階段下まで迎えに来てもらった。)

当日は朝早かったので気温もそんなに高くなく、
ほどなくして小児科に着いた。
ベビーカーから子供を降ろすのを手間取っていたら、
子連れで来ていた何人かのお母さまが助けてくださった。
時間通り診察室に呼ばれてすぐ注射になった。
飲み薬を1つ。右手、左手、左足に注射を3本。
先生と看護師さんが二人がかりで、慣れた手つきで打っていく。
注射の瞬間はぎゃーと泣いたけれど、
信じられないくらいすぐに静かになった。
待合室で10分ほど様子を見る間、
思い出してひゃっひゃっと何度か言いながら、
そのうち防衛本能かすっと寝てしまった。

次回の予約を済ませて、まっすぐ帰宅する道中も
すやすや寝ていて無事家に着いた。よかった。

まだお昼前だったけれど、
ノンアルのレモンサワーを開けて飲んだ。
(疲れてどうにもならないときはノンアルの缶を開けると最後の力を振り絞れるので、このころ日課になっていた。)
疲れは取れず、頭ががんがんいった。
午後は抱っこも大変で音を上げていたら、
夫が出てきてあやしていてくれた。

ベビーカーに慣らしたり、無駄に抱っこ紐に入れたり。
うまくできないのが怖くて早くどうにかしなきゃと思っていた。
でもよく考えると、移動は手段であって目的ではない。
そのときが来たらどうにかして移動しなければならないのだから、
まずはもっとわくわくするような目的に思いをはせるべきだ。
それで一人ではどうにもならなかったら、
頼れる人を頼って思い出にするべきだ。

その夜、副反応で熱くらいでるかと思ったがまったくなく、
子供は元気に天井を見て足をばたばたさせていた。
どこへ行かなくても、何かしなくても、
今日も何でもない時間がこんなにいとおしい。

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