母乳

赤ちゃんに母乳をあげてみたいな。
となんとなく思っていた。
それがどれだけ覚悟の要るものなのかも知らずに。

産院にはなんとなく混合栄養で希望を伝えていたら、
産後2日目ごろから授乳指導が始まった。
乳房マッサージをして赤ちゃんに吸わせようとするも、案の定吸わず。
乳頭保護器というものをつけてみたら、なんと簡単に吸い付いた。
乳頭を引っ張られる独特のこそばゆさは多幸だった。
とりあえず続けることになった。

それから数日。産後5日目。
乳腺がとんでもなく腫れ出す。
寝ていても乳房が痛くて置き場所に困るほどだった。
腫れを引かせるためには、赤ちゃんに吸ってもらうしかない。
でも赤ちゃんはまだそんなに吸わない。
見事なジレンマ。
それだけでなく、これから先も、
赤ちゃんがどれだけ吸うかに応じて母乳分泌量が決まるのだ。
見事な自転車操業。

そこの塩梅を丁度良くしながら日々をこなさないといけないなんて、
高度なサーカスか何かですか。
道のりに絶望したが、諦めるのはいつでもできそうなので、
とりあえず続けてみるか。

頻回授乳すること数日、じわりと透明な液体の分泌を確認した。
少しだけれど、確かな変化。
産後10日目ごろまでの母乳には特殊な免疫物質が含まれ、大事らしい。
保護器を通して吸わせると、唾液に混じって汁が吸われていくのを感じた。
一滴かもしれないけれど、私の免疫が子に伝わっていく。

母乳を吸えているか確かめるために、
授乳の前後で赤ちゃんの体重の変化を見る。
なんと、たった2g。

ミルクもちゃんと足さないとなあ。

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