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5月号(№246)編集後記

どっさりあった路肩の雪があっという間に成仏し、心地よい春の陽気が北三陸に桜の季節を連れてきました。インスタグラムを開くと、目にも鮮やかな花の写真が咲き誇り、スマートフォンの向こうから、ささやかな癒しを与えてくれます。新年度がスタートし、何かと気忙しい毎日ですが、時にはデスクを離れゆっくりと花を愛でる余裕を持ちたいものです。

さて、4月から一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「日本版ライドシェア」が都内で始まりました。大都市や京都などの観光地では、なかなかタクシーがつかまらないそうで、安定的な移動手段の確保に期待が寄せられています。

価値があるのに使いきれていない物、場所、スキルなどを有効活用し、社会の課題解決につなげようとする取り組みは他にも。

弘前市では、昭和のバブル以前に作られた集合ビルのスナック街をリノベーションし、宿泊施設としてオープン。「泊まれるスナック」は、昭和にタイムスリップしたかのような「エモい」体験ができると評判を呼んでいます。

都内3カ所で不定期にオープンする「夜のパン屋さん」は、街の色んなパン屋から営業時間内で販売しきれなかったパンを引き取り、夜の数時間に限り格安で販売。「パンを焼かないパン屋さん」は、フードロス削減に貢献し、ホームレス、生活困窮者など様々な事情を持った人に働くことの喜びを提供しています。

世の中の無駄になっている資産を有効活用し、個人間で気軽に物やスキルを共有する、現代版のおすそ分けが進化をとげています。人口減少に歯止めがかからない地方にこそ、限りある資源を地域でシェアする新たな視点が必要です。(新)


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