小説⑦
***
場所は変わり
被害者の殺人現場に三人は到着した。
「シンプルな部屋だな」と橘は言いつつ、リビングに
向かいご遺体を観察する。棚の上には何個か花瓶が
置いてあり、1つは割られていた。
被害者と犯人が争った後だろうか…
ご遺体の後頭部には長方形の傷跡がある。
背中には大きな刺し傷があり、この傷が致命傷になっ
たと思われる。
第一発見者は同じ会社の同僚の林将吾。
無断欠席が続いていたため、様子を見てくるよう
頼まれたそうだ。
「チャイムを鳴らしても返事がないので、ドアを
叩いたのですが返事もないし、ドアノブを回したら
鍵がかかってないのか開いていたので中に入って
みるとこの有り様で…」と涙ぐみながら、答えていた。
ぎゅるるるると突然音がしたかと思うと、腹を抱えた
橘が
「ちょっとトイレ借ります汗」と言い残しトイレに
入っていった。
犬飼警部が警察手帳を見せながら
「おっと、自己紹介がまだでしたね、失礼しました
私は捜査一課の犬飼蓮司、こちらの少年は探偵の助手
の小林虎人。今お手洗いに入っているのが、刑事顧問
の橘修一です」と説明した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?