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仏手柑の実

12月30日、朝ごはんを終えほうじ茶を飲みながらのんびりしていると不意にくしゃみが出そうになる。口を大きく開ける間もなく「う」を発声する形状のままくしゃみをしたので「ぶーーっしゅ!!」というなんだか間の抜けたような音が出た。くしゃみを終えるか終えないかあたりでこっそり「…かん」と付け加えてみる。仏手柑だ。おや、楽しい。

なぜ仏手柑か。昨日SNSで見かけた仏手柑から抽出した成分を使用したというハンドクリームが気になっていたのかもしれない。

…というのは置いといて、早々に花粉が飛来しているのか、小花さんをお風呂に入れたのでふわふわの毛が空気中に舞っているためか、それとも二日酔いのためか(年中でしょうが)、どうにもくしゃみが止まらない。

くしゃみというのは案外カロリーを消費するものらしく、1回あたり約4kcalとのこと。ダイエットには良いのかもしれないが、ありとあらゆるウィルスがはびこる昨今、無駄な体力の消費は避けたいものだ。

昼間のうちは仏手柑くしゃみを楽しむ余裕もあったのだが、夕食にケララカレーを作ったことによりさらに悪化。

手間は掛かるが美味しいので年に数回は作るのだが今回はタイミングが悪かった。みじん切りのオンパレードにより、玉ねぎはじめ様々な刺激成分が鼻腔をくすぐり、スパイスが鼻の粘膜を直撃。さらには手元が狂ってパウダースパイスを撒き散らし、フィルターを替えたばかりの換気扇が勢いよく巻き上げ吸い込む始末。ぶっしゅかん!ぶっしゅかん!

ー「女殺くさめ地獄」年末もだえ大門

ばかばかしいタイトルが頭に浮かぶ。もはや仏手柑くしゃみをする余裕もなし。しかしながら、苦労しいしい作ったカレーはことのほか美味で、くしゃみで失ったカロリーを補うべく皿いっぱいにおかわりをよそう。

カレーといえば勤め人だった頃、かつて溜池山王にあった「FISH」のカレーが好物だった。お昼のピークタイムはまず入れないので大抵時間をずらして行っていたが、そこでチキン大辛とマヨネーズサラダ、卓上にあるアチャールどっさりが定番であった。
今は閉店し、常連客だった新オーナーによる店が新宿にあるらしいが、まだ足を踏み入れたことがない。

カレーという食べ物は私のなかでは労働とか疲労と結びついていて、そんなもんで今日も朝から昨日の残りのカレーを食べる。くしゃみもいつのまにか治まったので、昼の蕎麦屋を楽しみに2023年最後の日、今日も働きます。


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