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トランスジェンダリズムとは?…11

⤵️前回

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トランスロビーの存在とその企み

 ネットでいろいろ記事を読んでいると、イギリスの行政機関は、トランスロビー団体とはこっそり何度も話をしているのに、女性団体には嘘の理由をつけて会おうとしないといった批判や、トランスロビーは公の助成金や裕福な個人や企業(製薬会社!)からの寄付で巨額の資金を持っているとかいった記述が散見されます。

 そして、ある日こんな記事を発見しました。『トランスロビイストの驚くべき戦術を明らかにする文書』(2019年12月2日)です。
 記事の出だしにこうあります。

「トランスジェンダーの議論の多くは説明されていません。最も神秘的な側面の1つは、少数の小規模組織が、公共団体、政治家、および役人に大きな影響を与えるスピードと成功です」。

 やはりみんな同じように、急激な勢力増大を不審に思っていたということですね。


 文書は、「ロイター通信社の一部であるトムソン・ロイター財団や世界最大規模の法律事務所のデントンが作った、いくつかの国でトランスユース(若者)が早く法律的にジェンダーを変えられるように法律を改定させるためアドバイス」だということです。

 そのマニュアルは、「ベール(保護の覆面)」の背後に自分たちの計画を隠し、彼らがしようとしている子どもたちに影響を与える変更について、メディアも一般大衆もあまり知らないようにするために、その変更のためにロビー活動をする人々に助言していると、記事は伝えます。以下、アドバイスのポイントです。

・立法プロセスの早い段階、理想的には開始前に介入すること
・国民を説得しようとするより、直接に政治家をロビーすること
・「保護の覆面」を作るために、運動をもっと人気のある改革に結び付けること(例えば、LGBとか)→ゲイの権利を隠れ蓑にする
・過度のマスコミ報道やメディアにさらされることを避けること→一般大衆に知らせるな、これについて勉強させるな
・子どもをトランジッション(性別移行)させるのに親の同意が障害になる 

 本当の意図がバレるとコトが成就しないから、「議論が始まりもしないうちに、彼らの結論を採用するように強制する」、「人の思考をコントロールしたいなら、言葉をコントロールすることから始めよう」(Youtube動画『Preferred Pronouns or Prison』より)なんですね。ヤバ過ぎです!


LGBT団体からLGBも離れた

 前回の原稿で、問題なのはTRAであるということを明らかにしました。トランスジェンダー個人と、TRAは別です。海外でも、過激なTRAに反対して声を上げているトランスジェンダーの人たちがいます。

 また、トランスセクシュアルの人たちのことを、TRAは非常に敵視しています。トランスセクシュアルの人にとっては、SRS(性別適合手術)は「本来の自分に戻るための治療」であるのに、TRAの目的は、SRSなしで「性自認」だけで法的に別の性になれるようにすることなのですから。日本のTRAで、新聞にインタビューが載るような学者(たぶんいわゆる「女装者」の人)は、ツイッターで「くたばれ、GID(GID=性同一性障がい、なのでいわゆるトランスセクシュアルを指す)!」と言っていました。さもありなん。

 現在イギリスで、LGBTと一括りにして言われる人たちの大部分が、T(トランス)であり、多くは生物学的男性でペニスを保持している人と前回書きました。そのイギリスで2019年10月、とうとう、ストーンウォール(ヨーロッパ最大のLGBT権利団体)から、LGBが出て行き、別団体「LGBアライアンス」を立ち上げました。理由は、「ストーンウォールが、トランスの人々に優先順位を付け、本来の使命である同性愛者を保護するという使命をほぼ放棄したから」だそうです。

 というわけで今や、TRAと対立するのは、女性や少女だけでなく、レズビアン、ゲイ、DSDの人、トランスセクシュアルの人々にまで広がりました。


日本で...法的に認めるとはどういうことか

 紹介したYouTube動画は、「礼儀の範囲であるはずだったものが、刑事罰の対象になってしまった」と嘆いていましたね。

 そうなのです。思いやり、親切の範疇だったものが、強制され、従わないと刑事罰や社会的非難を受ける憎悪犯罪とみなされるようになってしまったのが、海外の現状でした。
 日本ではどうなるんでしょう。

 先の「くたばれ、GID」とツイートしたTRAの学者は、「性自認だけで法的に女性になれることになれば、手術していない『トランス女性』が女子トイレに入ってくるのか」という懸念に対して、次のようにコメントしていました。

「理論的にそういう権利があるという話にすぎません。公の場で、女子トイレや女湯に入ることを今すぐ認めて欲しいと要求しているトランスジェンダーはいないのです」。

 つまり、実際の権利は使われないから、法的女性IDを認めても大丈夫、という意見です。
 それに対して、三浦俊彦さんは「理論的に権利があるということは、実際に権利があるということだ」と批判します。

 実はこれも三浦さんのネット記事の内容です。以下、引用。

「次のような主張を考えてください。『理論的に参政権があるという話にすぎません。女は空気を読んで、国会議事堂に入ってきやしないから大丈夫です』←こんな理由で女性に参政権が与えられたとしたらどうでしょう。救い難い家父長制的価値観による女性蔑視と言うほかありませんね。トランス女性について氏は同じことを言っているのです」と。

 全くですね。そして、こう続けます。

「海外では、ペニスを持つ法的女性がシャワー室に入ってきているし、スポーツの女子競技大会でも元男性が軒並み優勝をさらっていますね。(中略)もちろんあれでよいのです、法的IDが与えられたなら。権利は堂々と行使するべし。女湯についても皆さん御承知おきください。そんな覚悟もできぬまま『トランス女性は女性です』と無責任に旗を振っている支援者は、いざ法的ID実現となった暁には『トランス女性は恥を知る女性であれ』と抑圧する側にまわるでしょう。『当事者の遠慮』に期待する厚かましい『支援』こそが、最悪のトランス排除なのです」。

 確かに。法的に認めるとはそういうことですよね。
 最後に、三浦さんは問いを残しています。

「【要点1】『性自認』の『性』は何を意味するのか、具体的に述べよ。

【要点2】法的IDがどんな権利を伴うか、ありありと思い浮かべよ。考えればすぐ見えてくる基本的矛盾点について、学識者がまったく声を上げない日本社会。その知的レベルが心配です」

(『通俗的「LGBT支援」の論理破綻を元女子大教授が指摘!
支援のつもりが「性差別を強化」...日本の知的レベルがやばい!』より)


 毎度ながら、この人しか日本の学者でまともなことを言う人はいないようです。ごく普通の女性たちがこんなことを発信すれば即袋叩きだと思いますが、幸い男性(学者)が言うとさして叩かれないし、記事も削除されず、こうやって読むことができます。


少し異論を言っただけで学者がバッシング

 男性学者ではない誰かがネットから葬り去られたことがあるのかって?
 はい。最近で言えば、上野千鶴子さん編の『構築主義とは何か』という本に丸々一章書いたようなフェミニスト学者(女性)でトランスジェンダーのアライ(支援者)の人が、「トイレ問題で、法的女性IDを懸念する女性たちは、トランスフォビックなのではなく性暴力がこわいから言っている面もあるのでは」というようなことを言っただけで、その論文ごと学者やTRAやアライたちに叩かれ、ネット上のツイッターアカウントを消しました。

 彼女に対するツイッター上での批判とそこでのやりとりを見ていてわかったことがあります。「ジュディス・バトラー」とか「クィア理論」とかいう思想の方面の人は、言っていることが意味不明で対話にならないということです。全くのド素人の部外者が言うのも何ですが、日本の女性学会というところは、ことごとく「クィア理論」の学者にひれ伏しているようにしか見えません。三浦俊彦さんが心配しているので、私も安心して盛大に心配するとしましょう。

 大丈夫?日本のフェミニスト学者たち! どうして誰も何も言わないの?
 「クィア理論」の学者に睨まれたら、アカデミックの世界で生きていけなくなるの?

《つづく》





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