ちょっとした夢の話
父と二人で、お宿を開きたいねという話を、時々する。
清潔なベッドと、ふんわりした気持ちになれる朝ごはんを出すだけの、シンプルなB&Bのお宿。
父が思い描いている理想を深く聞いたことはないけれど、私は旅行者はもちろん、舞台やライブで遠征に来た人のための宿泊場所にしたいななんて密やかに夢想したりしている。
食堂にはゲストの持ち込んだ円盤が流れていたり、
各々の観たものを共有できるノート(もちろん手書きのノートがいい)か置かれていたり、
チケットの半券を見せてもらえたらちょっとしたサービスがあったり………
そういう場所を作れたらなぁなんて、夏休みが永遠に続けばなぁという願いくらい甘いことをほわほわと考えている。
大人のための部室がずうっと欲しかった。
気ままに集まって、好きなことの話を好きなようにして、好きなときに帰れるような場所。
SNSにほんのちょっと疲れた人たちが、
お顔を合わせて楽しく話せる空間。
いつか作れたらいいなぁ、なんてなぁ。