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『チームラボリコネクト:アートとサウナ』の楽しみ方!

 チームラボ は屋内外問わず、さまざまな地域でデジタルアートを発表してきた。屋内で幻想的な音楽と共に、いままで見たことのない造形物やその動き、そして身体とアートが繋がり没入感ある体験を提供してきた。屋外では、森林や渓谷といった自然空間をキャンバスにしたり、歴史的建造物のリメイクで新たな見せ方を探究し、私たちを楽しませてくれている。多くの方がこれらの展示施設で感動し、「次なる世界へ導いて欲しい!」と願っているはずである。そして、今回の『チームラボ リコネクト:アートとサウナ』はその願いを叶えてくれる。だが、その為に多少の”事前準備”をして臨んで頂きたい。あるいは行ったけど楽しめなかったあなたは、”準備不足”が原因かもしれない。さて、その”準備”とは何んだろうか。

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 本展はそのタイトルにあるように、「アートとサウナ」の掛け合わせが肝である。そして多くの方が、いままでのチームラボ作品に感動し、今回その掛け合わせの面白さに足を運んでいるのではないだろうか。一方で、既存の作品群に比べ身近でない”サウナ”が本展を全力で楽しむ為の障壁にもなっている。チームラボが織りなす、その美しいアート空間に感動を覚えるものの、「サウナいらなかった」と感じ、アートとサウナを一緒にする意義を見出せなかった人も少なくないのはずだ。では、どのような準備をしたらアートとサウナを楽しめるだろうか。

それは「自分なりの”ととのう”を見つける」ことだ。

 本展入口では、鑑賞ガイドが流され、”ととのう”という言葉が出てくる。そして本展の目的が、”ととのう”を経験し、アート鑑賞をより良い状態で楽しんで欲しい、それを通して世界とリコネクトして欲しいと紹介されるのである。しかし、普段からサウナへ行かない方からしたら、この鑑賞ガイドの言わんとする事が理解できない。つまり、”ととのう”を経験しているか否かで、本展の感動に大きな差が生まれるのである。では、サウナ好きしか楽しめないのかと言うとそうではない。上述したように、「自分なりのととのうを見つける」、あるいは見つけた状態で本展を楽しむのが大切なのだ。

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 実際に”ととのう”ようになるには、何度かサウナへ行き、自分のルーティンや方法を編み出さねばならない(その方法論は調べればいくらでも出てくる)。しかし、そこまでして”ととのう童貞/処女”を脱して来る必要性は本展示にない。大切なのは、「自分なりのととのうを見つける」、つまり「自分なりのサウナの楽しみ方を見つける」事なのだ。サウナ素人は、その熱気に耐え、その後の冷水の気持ちよさ、そして、その後の"ととのう"に至れない。ならば、自分の心地よい温度のサウナ室で、自分の心地よい体温になり、汗をかくまで滞在し、自分の心地よい長さの冷水を浴びればそれで良いのだ。その”自分の心地よい”を感じられる事が大切なのであって、サウナーが言う”ととのう”を完璧にできるようになる必要はないのである。自分がどう楽しむか、その”事前準備”をして本展を楽しんで欲しい。無理して友達と同じ時間サウナ室にいる必要はないし、高い温度に入れればすごいわけではない。純粋にサウナを楽しむ。そうしているうちにあなたは整っているはずなのだ。


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