「レ・ミゼラブル」新演出 2013-05-10

2013-05-10
新演出版、初観劇行ってきました!
全体的に「映画が新演出版に準拠している」と聞いていましたが、確かに!
始めの穴掘り(?)のシーンが船の上のシーンに変わっていたり、(マストを担ぐエピソードはありませんでしたが)
舞台美術がシーンごとの町並みを思わせるようになったり、
背面プロジェクタで下水道を進むシーンを再現していたり。
(このへんはミス・サイゴンのよう)

前の演出では、舞台上にでっかい回転盆や奈落があって、抽象的にシーンや心情をみせているところが多かったのに対し、
新演出ではよりリアル的に背景美術であったり動きをつけている部分が多かったように見えました。
ジャベールの死、などは以前は布とともに回転奈落に引きずり込まれるところが、闇に負けてしまった感があったのですが、
今回は完全に川に落ちるという映像とともにまっすぐ落ち、暗転に消えて行きました。
…ここは前のほうがもだえ苦しみ去っていくジャベールのほうが好きだったなあ。

以前はストイックな「舞台演出」として見せていた心情を、それぞれスポットを当てて魅せる部分を増やしたようで、特にガブローシュとグランテール。
しょげているグランテールにガブローシュがそっと寄り添うところや、
ガブローシュが死んだ時に舞台中央正面に向かって叫び悲しみ、亡骸を抱き酒を飲むグランテールのキャラクタが全面的に出る演出になっていたのは嬉しいです♪
…若干、以前の「血気盛んだけど酒好き豪快」なイメージ(偏見?)から、
上着やスカーフを着込んでいたためかなんか「頭でっかちなキザ野郎が酒に逃げてるだけ」というイメージにみえたのは淋しいですが…
(演出なのか役者さんなのかはわかりませんが)。

舞台盆がないから、ガブローシュの死やアンジョルラスはどう見せるんだ!?と思っていましたが、
ガブローシュは戻ってきた所で撃たれ、アンジョルラスはバリケードが解体された後、台車で運ばれて……(ポーズは同じ)
また、「エポニーヌもバリケードを登ってきたら撃たれていた」…という過去形ではなく、
完全にマリウスをかばってスポットライトを浴びて撃たれていました…
マリウスの
「どうした、髪が濡れているようだ。血だらけじゃないか」
の歌が、え~~~?いまさら~?って感じてしまって……
エポニーヌは人知れず傷ついて、最後までそういう姿を見せないようにする姿がいじらしかったし、
今回グランテールがガブローシュの亡骸を抱いていたのは良かったけど、ガブローシュはみんなの手が届かない所で撃たれてしまって弾薬に最後を託す…というのがもどかしくて切なかったものです

「心情」を出した部分が素敵だったのは、バリケードが落ちた翌日のジャベール。
ものすごい慌てふためきようで、バリケード周辺を周り、アンジョルラスとガブローシュの死体を見て悔しがる…
「たかが学生たちのお遊び」に命を賭けて忍び込んだのは、降伏させて死人がでないようにやめさせたかったんだろうなあ……という感じに見えました。
それもできず、追っていたバルジャンの頼みも聞いて見逃すことにした自分を許せなかったのかと…。
ジャベールもいろいろと解釈のしがいがありそうですね♪

あと、ラスト。
映画版でぶわっっときたところですが、天に召されたバルジャンの前に司祭様が現れたところ!
舞台では、両手を広げて迎えてくれた司祭にバルジャンが一礼。
その一礼が「この人生あなたと共にありました」と言っているようで!!!
バルジャンは背中しか見えないんですが、このシーンが全てを物語ってるようです!

もしかしたら原作はそういうふうにかかれてないかもしれないけど、
演出や役者さんから感じたものが原作とは違っても舞台はまた楽しめるものだとおもうのです♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?