Mリーグ2021-2022シーズンの戦犯はだれか
※選手敬称略とさせていただいております。悪しからず。
※記事内容としては、単純な数値計算を基にした寸評になっております。
※午前3時です。
今年のMリーグはKADOKAWAサクラナイツの優勝で幕を閉じた。開幕から最終日まで一通り対局を追っていたが、やっぱりファイナルは非常に見ごたえがあり、昨年とはまた違う感動を味わうことができた。
一方で気になったのが、結局のところ今年一番活躍した人って誰なんだっけ、という話。MVP獲得者じゃないの?と思う人もいると思うが、本当にそうだろうか。
Mリーグではレギュラーシーズン、セミファイナル、ファイナルの3シリーズに分割され、チームポイントはその都度半分を持ち越すことになる。
一方で個人成績についてはレギュラーシーズン終了時点で一度タイトル獲得者を決めて、セミファイナルやファイナルでは個人成績を別として扱っている。
プロ野球などのスポーツではそもそも試合中の得失点は「その日限り」のもので、選手の個人成績や、果ては年棒にまで影響を及ぼすものの、チームとしては何百点取られようと1ゲーム分、サッカーでいえば勝ち点3の価値しかない。
Mリーグ、というより予選決勝のある競技麻雀の多くはこれらを切り離さないことに他との差別化が出来ている良い部分だと私は思っているのだが(賛否あると思います)、チームポイントは一元管理なのに個人成績がリセットされるのはよくわからない。
結局今シーズンは誰が活躍したんだっけ?というのがわからなかったので計算してみようと思う。
個人成績という観点であれば全部の成績を単純に足せばいいだけだが、チームへの貢献値となると若干話が変わる。
前述のとおりセミファイナルでポイントが半分に、ファイナルで更に半分になるため、ステージが上がるにつれて比重が上がってくる。レギュラーシーズンの400ポイントはファイナルでは100ポイントの価値しかなく、ファイナルの-50ポイントはレギュラーシーズンでは-200ポイントもの大台になる。
レギュラーシーズンのポイント+
セミファイナルのポイント×2 +
ファイナルのポイント×4
で選手ごとに総計を出してみた。
・・・・なんかイメージしてたのと全然違うな。
羅列しただけではわかりにくいので、チーム毎に見ていきたいと思う。
いったい誰が活躍したのか?誰のせいで負けたのか?
8位 TEAM RAIDEN/雷電 レギュラーシーズンで敗退
萩原 -394.0
瀬戸熊 -405.5
黒沢 -148.8
本田 -307.8
のっけからタイトルに沿わなくて申し訳ないが、雷電に関しては戦犯もへったくれもない。仮に桃鉄の「徳政令カード」があったとしても、今シーズンはセミファイナルに行けなかった。誰が悪い訳でもないが、少なくとも戦績としていいところはなかった。(Mリーグ以外だと最強位とか小説とか、結構目立ってたけど)
雷電は次シーズンも同じメンバーで挑むことが先日発表された。SNS上では賛否両論あったが、個人的には「どうせ、そうなるだろうな」と思っていたので特にコメントはありません。
7位 赤坂ドリブンズ レギュラーシーズンで敗退
園田 -56.7
村上 -384.1
たろう 132.0
丸山 45.0
村上の大不調に目が行きがちだが、実はドリブンズも『徳政令カード』使用してもセミファイナルに届いておらず(なんとサクラナイツと同点)、全体的に得点力が不足しているという結論になる。初年度優勝した時はそんなイメージ全くなかったんだけどな・・・
ドリブンズの課題はやっぱり「レギュラーシーズンをいかに戦うか」という点に限ると思う。この4シーズンでレギュラーシーズンをプラスで終えていないのは雷電とドリブンズのみ。その上で今シーズンは他6チームがプラス域に居るんだから、通過できるわけない。自チームがプラスになるのは4年やって無理なんだからとっとと諦めて、他チームをマイナスに引きずり込むような戦い方を考えた方が有利になりそうな気もする。そんな戦法あるかは知らないが・・
6位 U-NEXT Pirates セミファイナルで敗退
小林 400.5
朝倉 -111.2
石橋 -423.4
瑞原 142.8
ここからセミファイナルの得点が倍加算される。MVPを取った瑞原はセミファイナルでは3ラスだったためこの数字になった。それよりコバゴーってこんな勝ってたっけ?という印象。全体で4位の成績になっている。こう見ると、1日1剛の戦略は理にかなっていたといえる。
マイナス2人に関していえば、全体で最下位の数値になってしまった石橋は得意とされているポストシーズンで2ラスだったため、「これくらいだろうな」と思っていたけど、朝倉がマイナス3桁相当になるとは思ってなかった。やっぱり印象度はレギュラーシーズンの方が強いのに比重がポストシーズンに寄ってるのはすっごい違和感がある。
5位 EX風林火山 セミファイナルで敗退
亜紀 129.8
勝又 96.3
松ヶ瀬 275.9
瑠美 -365.8
レギュラーシーズンのマイナスがそのまま影響してしまったパターン。というか瑠美はセミファイナルにおいて登板が1回しかなかった。ファイナル進出のためのオーダーといえば監督の賢明な判断ともいえるが、巻き返しの機会をもらえなかったともいえる。もっと言えば、これだけ勝っている松ヶ瀬を出場停止にしたコロナウィルスこそが風林火山敗退の最大の戦犯かもしれない。
勝又より亜紀の方が上、というのもイメージと違った。勝又はセミファイナル最終戦であわや大まくりするかもしれない展開を演出したが、それ以上に前半戦のラスが大きかった。片や亜紀はリーチかダマテンかの選択でネット麻雀巧者達を沸騰させたが、数値上は3桁分の貢献をしている。デジタル思考って何なんだろうかよくわかんなくなってきた。
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ファイナル進出
寿人 -368.7
高宮 -392.8
伊達 510.5
滝沢 15.2
ここからファイナルの成績が4倍加算される。KONAMIは終わってみたら伊達しかいなかった。最終日のトップで全ラウンドプラスの成績となり、当記事の計算方法だと個人3位に入る。一方で移籍に近い形で同じく新加入した滝沢はレギュラーシーズンこそ伊達よりポイントを稼いだが、ポストシーズンでは苦しんだ。寿人に関してはレギュラーシーズンの成績が初めてマイナスになり、大不振だなんだと叫ばれていたが、それよりポストシーズンが例年通りのマイナスだった方が気がかり。優勝が目標であるのであれば、改善の優先度は長期決戦<短期決戦だと思う。
今年も4位に終わり賞金なしとなったが、全4シーズンで賞金を獲得していないチームはKONAMIと雷電だけ。雷電いっつも出てくるな。
3位 渋谷ABEMAS ファイナル進出
多井 -411.6
白鳥 549.2
松本 82.7
日向 -3.7
4年連続3位という離れ業をやってのけたアベマズは、やはり麻雀星人のポストシーズン戦績が敗退最大の要因となった。多井は過去のポストシーズンでプラスを収めているのは昨シーズンのセミファイナルのみで、レギュラーシーズン総計1,000ポイント以上収めている選手と同一人物とは思えない両極端な成績となっている。
そのマイナスをすべてカバーした白鳥は全体で2番手につける活躍をした。松本も数値こそ大きくないがきれいにまとめており、日向はレギュラーシーズンこそマイナスだったがポストシーズンはプラスに収めた。結果、チームが高いベクトルで安定しているがためにリーダーの負けが目立ってしまうのは何とも皮肉なもんである。
2位 セガサミーフェニックス ファイナル進出
魚谷 38.7
近藤 305.8
茅森 143.8
東城 80.1
フェニックスは全員がプラス域なので、雷電とは逆の意味で戦犯も何もなく、純粋に力負けしたということになってしまったが、最終戦までもつれるにふさわしいデータになっている。
ポストシーズンに強い近藤の存在は大きく、最終貢献値が全体5位に入ってきている。また、近藤と東城は今期3ステージすべてでプラスを収めており、1チームで複数名達成しているのはこのチームだけ。安定感がある、という見方もできるが、チームとしてはこの4年間でレギュラーシーズン敗退と2位入賞を繰り返している。「今年が上振れ」と思われないために、来年もファイナル目指して頑張ってほしい。
1位 KADOKAWAサクラナイツ 優勝
内川 -6.5
岡田 -4.2
沢崎 114.7
堀 703.8
優勝したサクラナイツは戦犯ではなく勝因、になるのだが、とりあえずブッチギリで堀。堀すぎる。703.8ポイントは2位白鳥と150以上の差がある。
沢崎はレギュラーシーズン2位のポイントをセミファイナルで減らしたがそれでも3桁のプラス。岡田はレギュラーシーズンではトップが取れずに苦しんだが、セミファイナルでは正に倍返しの活躍をして最終結果はほぼフラッド。内川もファイナルでトップを取ってほぼフラッドとなった。チームとして安定感と爆発力が両立している、いい例だと思う。
来年はマークされる立場になると思う、というか他チームはマークしないと堀に掘られてチームポイントが穴だらけになってしまう。マークされた上でどう戦うかも見てみたいなぁ、なんて思ったりもする。
というわけで、ありきたりな数字を並べて今期の感想を述べてみましたがいかがだったでしょうか。
来シーズンが早くも待ち遠しいですね。
(眠いので終わり)
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