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せっかくだからの気持ちと損失

ここまで頑張ってきたのに今さらやめるわけにはいかない。
継続は力なり。石の上にも3年。
続ける事の素晴らしさを教え込まれてきたせいか、途中でやめることには罪悪感がある。
せっかくここまできたから。せっかくここに入れたから。
わざわざしたこと、してもらったこと。狭き門をくぐり抜けたこと。
時間をかけたこと。に対しても簡単に投げ出すことはしたくない。

けどそれは、サンクコストであることも多い。
サンクコストとは、すでに支出され、どのような意思決定をしても回収できない費用のこと。埋没費用。それまでに費やした資金や労力、時間を惜しんで事業を継続すると、損失が拡大するおそれがあることから、意思決定に際して、サンクコストは無視するのが合理的とされる。

例えば、途中で断念すべきプロジェクトを、いつまでも続けること。
取り返しがつかないところまで悪化した人間関係を、耐え忍ぶこと。
せっかくチケットを買ったのだからと、憂鬱な天気や乗り気でなくなっても、そのイベントに参加すること。

ある。やりがちかもしれない。

サンクコストを利用したお商売もある。
例えば会員を、購入金額や継続期間に応じてランク付けすること。
「せっかくゴールド会員になったのだから」「これだけ続けてきたのだから」
そういえば、今年加入したお洋服のサブスクは入会希望を出してから入会するまで1ヶ月待った。1ヶ月待って入会したから簡単にはやめない。なぜなら「せっかく入れたから。」そして、再入会にも時間がかかるかもしれない。「簡単には入れない。」わざとなのかどうなのかわからないけど、サンクコスト効果を利用したうまい方法であることは確か。

他にもKingGnuのグッズ販売。2時間半並んで自分の番になった瞬間に、アイボリーTシャツM売り切れでーす。と聞こえた。決めてたグッズ+水色TシャツMも購入した。「きっと水色TシャツMサイズもすぐ売り切れちゃう」と思って。
せっかく並んだし(サンクコスト)今しか買えないし(希少価値)のダブルパンチ。これは売り手側がサンクコストを利用したわけではないけど、客自らつっこんでいくパターン。
私は「せっかく」に弱い。

けど、今より良いものを手に入れるには、今持っているものを手放すべき。
もし努力せずに、コストをかけずに手に入れたなら簡単にポイできる。
っていうものや事は手放そう。

ただ、サンクコスト効果をうまく使えば、自分自身の心理をコントロールすることもできる。わざわざコストを支払って「やめたらもったいない」気持ちになり、習慣や努力の継続につなげればよい。
私は何でも格好から入りたいのだけど、それも継続のためにはいいのかもしれない。せっかく一式揃えたんだから使いこなせるようになるために頑張ろう。のモチベーションとなるはず。

「せっかく」を自分でうまくコントロールして、未来の損失とならないように、プラスとなるようにしたい。


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